ラオスでも携帯電話は広く普及し、ショッピングセンターから市場、幹線沿いの商店街などなど、あらゆるところで売られている。店頭での品ぞろえが多いノキアであるが、一般には高嶺の花で、多くのラオス人は中国人経営のショップで携帯電話を購入する。そこでは、中国で“大ヒット中”の「山寨機」(中国語でシャンジャイジと発音する)も売られているが、最近ではラオス人んが経営するショップで扱っていて、タイの地方都市でも“大ヒット中”という「i-mobile」などが人気を集めている。
中国人経営のショップでは携帯電話だけを販売しているが、ラオス人のショップでは、かばんや財布や靴などと一緒に携帯電話を並べている。ラオス人にとって携帯電話は通信機器である以上に、雑貨屋における腕時計のような、ファッションアイテムとして認識されている。
ここで「i-mobileも結局は中国製じゃないか」とラオスの人に突っ込んではいけない。中国人とは“すみ分け”したいラオス人としては、中国製であることよりタイ向けであることが大事なようだ。


中国人が経営する携帯電話ショップは漢字混じりの看板で識別可能だ(写真=左)。一方、ラオス人が経営する携帯電話ショップは、かばんも一緒に売っている(写真=中央)。ラオスで人気なのは“高嶺の花”のノキアに中国の「山寨機」、そして“タイ向け”の「i-mobile」という(写真=右)とはいえ、ラオスの家電やデジタルガジェット市場には中国資本が“ガッツリ”と進出している。ただ、これは製品そのものではなく、中国のデジタルテレビ規格「DTMB」(Digital Television Terrestrial Multimedia Broadcasting)の採用という、ある意味、製品よりも大きな影響を与える話だ。日米欧それぞれのデジタルテレビ規格が発表された後に、中国が第4のデジタルテレビ規格として「DTMB」を公開したが、このライセンスコストが日米欧の規格より格段に安いことと、中国から多額の援助金があったことなどから、ラオス政府が採用を決定した。
裕福なラオスの世帯では、テレビの脇にDTMBに対応した中国製地デジチューナーが置かれている。ビエンチャンにある外国人向けのホテルやレストラン、カフェなどでも同様だ。そんなカフェで地デジチューナーのチャンネルを変えてみると、隣接する雲南省の放送局が次々と表示される。
ラオス政府に対する中国政府の「DTMBセールス成功」は、「在ラオス中国人の生活向上」や「中国の文化をラオスに伝えることができる」こと以上に、「ブルーレイ対抗馬の次世代光ディスク規格」のEVDやCBHDなど、“まだ、あきらめていなかった!”中国独自の新規格に、普及への光明を与えた」という成果を残したことが大きいだろう。
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