“光”がもたらすハイエンドモバイル革命――新型「VAIO Z」を徹底攻略する(前編):このノートPCは事件だ(3/6 ページ)

» 2011年07月07日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

大幅に薄型化しつつ、通常電圧版の第2世代Core iを搭載

片面実装の8層マザーボードを採用。CPUは基板にじか付けされる。中央の空いたスペースに専用設計の薄型メモリモジュールが装着される

 基本システムには、Sandy Bridgeこと第2世代のCore iシリーズを採用。Sandy Bridge世代のモバイルPC向けプラットフォーム(開発コード名:Huron River)を採用したのは、VAIO Zとしては初めてだ。

 1キロ台前半のモバイルノートPCでは、放熱設計やバッテリー駆動時間の関係から低電圧版のCPUが採用されることも多いが、低電圧版のCPUは通常電圧版のCPUに比べて動作クロックが低く、パフォーマンスも不利になる。

 これに対し、パフォーマンスとモビリティの融合をテーマに掲げるVAIO Zでは、かねてから通常電圧版CPUの搭載にこだわってきたが、今回もそれは健在だ。厚さ16.65ミリで重さ1.165キロ(最軽量構成では1.15キロ)の超薄型・軽量ボディに生まれ変わってもなお、通常電圧版のモバイル向けCPUをきちんと載せてきたことは特筆できる。

CPU-Zの情報表示画面。CPUは第2世代Core iシリーズを採用。第1世代に比べて内部構造が改良され、動作クロックあたりの性能が大幅に向上した。標準仕様モデルはCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz、3次キャッシュ3Mバイト)を搭載する

 標準仕様モデルのCPUは、Core i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz、3次キャッシュ3Mバイト)を採用する。VAIOオーナーメードモデルではこれに加えて、Core i7-2620M(2.7GHz/最大3.4GHz、4Mバイト)やCore i5-2540M(2.6GHz/最大3.3GHz、3Mバイト)、Core i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz、3Mバイト)、Core i3-2310M(2.1GHz、3Mバイト)も選べる。

 さすがにクアッドコアCPUは選べないが、モバイル向けデュアルコアCPUとしては最速のCore i7-2620Mを、MacBook Air(最厚部17ミリ)より薄いボディに搭載できるのは画期的だ。チップセットはIntel HM67 Expressを採用する。

 ノートPC単体ではグラフィックス機能にCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を利用するが、Power Media Dock接続時はドック側に内蔵した高速なGPUのAMD Radeon HD 6650M(グラフィックスメモリ1Gバイト)を利用し、描画性能を引き上げることが可能だ(詳しくは後述)。

今回はメモリモジュールも専用設計、デュアルSSDはさらに高速化

新型VAIO Z専用の薄型メモリモジュールを採用する

 メインメモリはDDR3-1333に対応しており、標準仕様モデルは4Gバイト(2Gバイト×2)を装備。VAIOオーナーメードモデルでは8Gバイト(4Gバイト×2)もしくは6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)の構成も選べる。

 本体の薄型化を追求するため、メモリモジュールは汎用のSO-DIMMではなく、専用の薄型モジュールを新たに採用した点に注目だ。ユーザーによるメモリの交換や増設は行えないので、4Gバイトを超えるメモリを搭載したい場合は、はじめからVAIOオーナーメードモデルを選ぶ必要がある。通常電圧版の第2世代Core iシリーズを搭載しつつ、これほどボディが薄いのだから、汎用的なスロットを搭載していないのは仕方がないところだ。

 データストレージは、RAID 0構成のデュアルSSDに一本化された。本体の薄型化に伴い、従来機種のような実装面積が増えるクアッドSSDやHDDは省かれている。デュアルSSDの容量は、標準仕様モデルが128Gバイト(64Gバイト×2)のみ、VAIOオーナーメードモデルでは128Gバイト(64Gバイト×2)のほか、256Gバイト(128Gバイト×2)、512Gバイト(256Gバイト×2)が選べる。

 このデュアルSSDは、標準仕様モデルとVAIOオーナーメードモデルで容量以外にも差が付けられていることを押さえておきたい。前者はSerial ATA 3Gbpsに対応した「第2世代SSD」(従来機種と同様)であるのに対し、後者はSerial ATA 6Gbpsに対応した「第3世代SSD」を新たに採用しているのだ。つまり、同じ128GバイトのデュアルSSDでもVAIOオーナーメードモデルのほうが高速という。

 従来同様、デュアルSSDのモジュールは独自形状を用いており、基板の両面にフラッシュメモリとコントローラをそれぞれ実装することで、1枚の基板の裏表でRAID 0のデュアルSSDを構成する。コネクタもSerial ATAの2ポートをまとめた独自仕様となっており、汎用のSSD/HDDへの換装はできない。

Intel Rapid Storage Technology(RST)ユーティリティの画面(画像=左)。独自基板内に2組のSSDコントローラが実装されており、チップセットのRAID機能を使ってRAID 0が構成されていることが分かる。デュアルSSDのモジュールは形状も端子も汎用品と違うので、ユーザーによる汎用ストレージへの交換などは行えない(写真=中央/右)

「VAIOの設定」には「BIOS 高速起動設定」が用意され、これを有効にするとVAIOロゴの表示などが省略される代わりに、さらに起動が高速になる

 こうした基本スペックの向上に伴い、新型VAIO Sと同じように「Quick Boot」という高速起動の技術も備えている。BIOSやOS起動時のタスクを最適化することで、Windows 7の起動を高速化するというものだ。

 新型VAIO Zでは、VAIOオーナーメードモデルでのSSD高速化も後押しし、電源ボタンを押してからWindows 7が立ち上がるまで、約13秒の高速起動を実現したという(仕様によって起動時間は異なる)。このタイムはVAIO史上最速とされており、VAIO Zの面目躍如といえる。起動高速化の設定は「VAIOの設定」から行える。

 なお、最速で約13秒というのはノートPC単体での起動時間だが、同条件のVAIO ZにPower Media Dockを装着しても起動時間が4〜5秒延びる程度という。

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