新型VAIO Z専用ドッキングステーションのPower Media Dockには、光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを内蔵するモデルと、Blu-ray Discドライブを内蔵するモデルの2種類が用意されている。
標準仕様モデルにはDVDスーパーマルチドライブ内蔵のドックが付属し、VAIOオーナーメードモデルでは両者から選ぶことができるほか、ドックなしの構成が選択可能だ。前述したように、別売されるドックのカラーはブラックのみなので、本体カラーと同色のドックを利用したければ、本体と同時購入する必要がある。
ドックのサイズは148(幅)×220(奥行き)×16.65(高さ)ミリ、重量は約0.685キロだ。ボディはノートPC本体のヘキサシェルデザインを思わせる六角形で、背面にアルミニウムのパーツをはめ込むなど、PC本体の意匠を積極的に採り入れている。縦置き用スタンドの受け口は、しっかりとホールドしながらも、多少の衝撃を吸収できるようにクッションがある構造になっており、神経質に取り扱う必要がないのはありがたい。
このドックには、スロットインタイプの光学ドライブのほか、GPUのAMD Radeon HD 6650Mとグラフィックスメモリ1Gバイト、映像出力(HDMI/アナログRGB)、USB 3.0、USB 2.0×2、有線LAN(1000BASE-T)といったインタフェースも備えている。
グラフィックス機能については、ノートPC本体をドックに接続すると、CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000からドックに内蔵したGPUのAMD Radeon HD 6650Mへ、自動的に切り替わる。従来機種のように、グラフィックスの切り替え時は一瞬画面が消えるが、すぐに表示が切り替わるので、待たされる印象はない。
ドックが備えるHDMI出力とアナログRGB出力を使って外部ディスプレイに接続する場合、PC本体に内蔵した液晶ディスプレイに加えて、PC内蔵の映像出力(HDMIもしくはアナログRGB)も合わせて、合計で最大4画面の表示に対応できるのは目新しい。
ドックとノートPC本体とは、インテルの「Light Peak」(開発コード名)をベースにした光伝送技術で接続されるという先進的な仕様だ。Light Peakは上りと下りでそれぞれ10Gbpsの高速な帯域を確保し、複数のプロトコルをまとめて取り扱えることが特徴の伝送技術で、ディスプレイ出力やPCI Express、有線LANなどの信号を1本(双方向では2本)の光ファイバーで送信できる。
ドックのコネクタは、電源のDCコネクタとUSB 3.0ポートを一体化した形状になっているが、実際にはUSB 3.0は利用せず、USBコネクタの中に仕込まれた光接続用のフォトダイオードで通信を行なう。また、Power Media Dock用に本体とは別途ACアダプタ(120ワット)が付属しており、Power Media Dock利用時には電源もドック側から供給されるようになる。
ちなみに、先だってアップルが同じくLight Peakベースの技術を「Thunderbolt」という名前の汎用インタフェースとして、インテルとともに規格化したが、現状のThunderboltは銅配線が前提であり、ベースとなる技術こそ同じだが、新型VAIO Zのドッグ接続とは別物だ。
Power Media Dockは本体の電源がオンのままで着脱可能だが、外すときはGPUを利用しているアプリケーションを終了し、ドック接続プラグの上に配置された取り外しボタンを押して、青色LEDの表示が消えたのを確認してから、取り外す必要がある。こう書くと面倒なようだが、取り外しボタンも確認用LEDもプラグのよく見えるところにあるため、操作としては実に自然で、すぐになじめるだろう。
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