Intelが必要とするのはソフトウェアの力だ:Intel Software Media Day(3/3 ページ)

» 2011年09月12日 16時00分 公開
[本間文,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

インテルの投資はモバイルとクラウドに向かう

 そのIntel Capitalは、現在、ソフトウェアやサービス事業の強化のために6つのジャンルに注目している。

  • 携帯端末向けソフトウェア
  • クラウド構築&セキュリティに優れたクラウドサービス
  • セキュリティサービス
  • ビジュアル&並列コンピューティング
  • ハイパフォーマンスコンピューティング
  • 組み込み用ソフトウェア


 特に「クラウドサービスを有効に活用できる、マルチプラットフォーム向けのソリューションやサービスの整備が急務だ」とランバート氏は指摘する。その注目企業として、Intel Capitalが出資するKalturaとSwrve New Mediaを紹介した。

Intel Capitalの携帯端末向けソフトウェアへの取り組みと投資企業(写真=左)。Intel Capitalはこれからの注目業種として、クラウド構築&セキュリティに優れたクラウドサービス(写真=中央)と、セキュリティサービス(写真=右)など、6つのカテゴリーを挙げている

同様に、Intel Capitalが注目業種として挙げる、ビジュアル&並列コンピューティング(写真=左)に、ハイパフォーマンスコンピューティング(写真=中央)、そして、組み込み向けソフトウェア(写真=右)

 Kalturaは、PCやタブレット、スマートフォン、SmartTVなどのインターネットに接続されたデバイスごとに最適なビデオコンテンツを配信できる環境を、サーバ側だけでなくクライアント向けにも一貫して提供するソフトウェアベンダーだ。すでに同社の技術はディズニーやパラマウントスタジオ、ワーナーブラザーズ、Best Buy、HBOなどのコンテンツ配信に採用されているほか、米国で飛行機内の無線LAN接続やコンテンツ配信を行なっているGogoでも利用されている。

 Kalturaは、Intel Capitalの出資を受け、現在クラウドサービスの約90%のトラフィックを占めるビデオ配信をよりセキュアなものにするとともに、携帯端末やホームエンターテイメント機器など、より幅広いプラットフォームサポートを実現すべく、Intelと協業していく考えだ。

Kalturaの共同創始者で社長 兼 CMOを務めるミシェル・ツール博士(写真=左)は、Kalturaのソリューションと導入企業を紹介したほか(写真=中央)、Intelと進めている協業についても説明した(写真=右)

 一方、Swrve New Mediaは、ゲームコンテンツの動作検証コストを限りなくゼロにすべく、一般ユーザーからβテスターを募り、あらゆるプラットフォームでの動作検証を行なえる環境をゲームデベロッパに提供するだけでなく、クラウドと各端末のトラフィック状況やパフォーマンスを解析することで、PCのみならず、携帯端末やSmartTVなど、あらゆるプラットフォームで快適に楽しめるゲーム設定を見つけ、これまで注視してこなかった市場の可能性も探れる手段を提供する。これにより、これまでPCや専用機向けに開発してきたゲームデベロッパが、急拡大を続けるソーシャルゲーム市場などにも容易にゲームを移植することができるようになるという。

Swrve New MediaのCEOであるヒュー・レイノルド氏は、Intelが買収した物理エンジンベンダー“Havok”の創始者でもある(写真=左)。これまで、ゲームデベロッパは売り上げの約80%を構成する“ヘッド”をターゲットにゲーム開発をしてきたが、残り20%を占めるロングテールを構成する幅広いユーザーもサポートできるよう、動作検証などのコストをゼロに近づけるサービスを提供する(写真=中央)。多様なプラットフォームやデバイスで、βテスターを募り、それぞれの環境におけるゲームのパフォーマンスや、サーバ負荷などの情報を集めることで、幅広いプラットフォームごとに最適なゲーム設定やイベントを提供できるようになる(写真=右)

そして、UltrabookとWindows 8とMcAfree

 ランバート氏はまた、Intel CapitalがSwrve New Mediaを含む7社に対して総額2400万ドルの投資を行なうことを発表し、Intelアーキテクチャのソフトウェアエコシステムを広げるために、今後もソフトウェアやサービスに対する投資や企業買収を強化していく意向を示した。

 さらにIntelは、9月13日にサンフランシスコで開幕する「Intel Developer Forum 2011 San Francisco」において、2011年2月に買収を完了したMcAfeeとともにハードウェアを生かすことで、より進化したセキュリティ機能をアナウンスするほか、MicrosoftとはWindows 8において、Intelが普及を図る新しいノートPCのカタチである“Ultrabook”で次世代のパワーマネジメント機能などを実装すべく協業していることを明らかにした。ソフトウェアとハードウェアが密接に連携することで、より優れた機能を実現するエコシステムを構築していきたい考えだ。

McAfeeのビマール・ソランキ上級副社長は、今後のセキュリティソリューションに関する考えを述べた(写真=左)した。McAfeeとIntelがIDF 2011 San Franciscoで発表を予定するハードウェアとの連係では、火と酸素が反応して引火することを例えに、火にとっての酸素となる要素を、マルウェアが動作する環境から排除することで、より安全なハードウェア環境を実現しようとしていると説明した(写真=中央、右)

 Intelにとっては、スマートフォンやタブレット端末の普及により、急速に拡大するコンピューティングデバイス市場においてイニシアチブを握るためには、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやサービスの充実は最重要課題であり、「近い将来、Intelといえば“ソフトウェア”というキーワードを思い浮かべるようにしたい」(フィッシャー副社長)と、ソフトウェアでコンピューティングデバイスに革新をもたらしていく意向を示した。

Intelと言えば「ソフトウェア」というキーワードを思い浮かべるまで、今後ソフトウェアやサービスの充実を図っていくとアピール

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月25日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー