「FCH(Fusion Control Hubにおけるファン制御」の技術解説セッションでは、現在のFCHや“次世代”CPU対応プラットフォームに実装するファン回転数制御の機能と構成を解説した。
FCHには、ファンコントロール専用のコントローラ(IMC)を内蔵しているが、そのメリットとして、マザーボードベンダーが独自でサードパーティの温度センサーやコントローラを用意する必要がなく、開発と生産コストを抑えられることや、AMDのデジタル温度センサーを利用して複数のポイントをより高い精度で測定し、その取得データでファン制御が可能なこと、ファン制御のアルゴリズムにマルチステップやマルチスロープを導入して最適化を図ることを挙げている。


FCHに組み込まれたファンコントロール専用コントローラでは、CPU内部の情報と外部温度センサーの情報から4基のファンを制御し、回転数データを監視する(写真=左)。Fusion APUではシングルセンサーだが、次世代デスクトップPC向けCPUではデュアルセンサーでファンを制御する(写真=中央)。デュアルセンサーを利用すると、リニア関係でファンを制御できる(写真=右)現在のFusion APUでは、シングルセンサーで測定したデータでファンコントロールを行っているが、次世代のCPUでは、デュアルセンサーに増やす。シングルセンサーによるファンコントロールは、最小でもPWMbase値がかかるが、デュアルセンサーでは、PWMを最小で0%にするPWMと温度制御の比例関係が可能になる。
また、マルチステップやマルチスロープに対応したファン制御アルゴリズムでは、温度とPWMの関係で設定できるステップを複数用意し、さらに、温度とPWMの設定幅を細かく区切ることで、温度とファン回転数の関係が滑らかな曲線に近づくと説明している。
「AMD Fusion 11:7TH ANNUAL TECHNICAL FORUM & EXHIBITION」の基調講演では、FusionやGPU、そして、間もなく登場するといわれているBulldozer世代のデスクトップPC向けシリーズ“Zambezi”など、2011年でAMDが世界各地で行ってきた発表内容をまとめて台湾の参加者に紹介した。


Fusion APUでは、まずTDP18ワットの“Zacate”ことEシリーズと(写真=左)TDP9ワットの“Ontario”ことCシリーズが登場し、ついで、TDP6ワットの“Desna”ことZシリーズがタブレットデバイス向けに投入された(写真=中央)。そして、メインストリーム向けには“Llano”ことAシリーズをリリースした(写真=右)

CPUでも、もうすぐ“Zambezi”ことFXシリーズが現れる(写真=左)。省電力を目指す“Bobcat”コアは2012年に拡張版が、2013年に次世代版が登場してさらに消費電力を抑える(写真=中央)。そして、“Bulldozer”でも2012年に拡張版、2013年に次世代版が登場して性能を強化していく(写真=右)

Windows 8についても言及し、MSIのFusion APU Z01搭載のWindPad 110WにWindows Developer Previewを導入した実機を展示した。AMDはWindows 8の優位性の1つとして、CPUリソースの管理でアクティブでないプロセスからCPUを解放して負荷を下げる機能を紹介した
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