11.6型ボディに圧倒的な性能を――ゲーミングモバイルPC「NEXTGEAR-NOTE i300」の実力ちっちゃいは正義(1/4 ページ)

» 2012年05月18日 16時25分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
NEXTGEAR-NOTE i300

 マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」に、11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載した「NEXTGEAR-NOTE i300」が加わった。CPUに第3世代のCore i7、GPUにNVIDIAのGeForce GT650Mを搭載するなど、小柄なボディにハイスペックを詰め込んだ意欲作となっている。

 メモリ容量やストレージの容量などの違いで5つの基本構成モデルが用意されているが、今回は上位から2番目のゴールドモデル(NEXTGEAR-NOTE i300GA2)を入手した。性能や使い勝手を検証していこう。

質感の高いコンパクトボディ

立体的なパターンをプリントした天板。11.6型ノートとしてはやや重いが、ボディは剛性感がある

 ボディは手前に向かって少し傾斜のついたフォルムとなっている。具体的なサイズは、287(幅)×207(奥行き)×12.7〜37.1(高さ)ミリだ。12.7ミリというのはボディのごく先端部のみであり、実質的な最も薄い部分でも31ミリ程度はある。それでも、第3世代のクアッドコアCPUとNVIDIAの高性能GPUを搭載していることを考えれば立派なものだ。

 一方、重量は1.8キログラムある(ただし、実測では1683グラムとかなり公称値より軽かった)。天面、パームレストには立体的なテクスチャをプリントしたラバー質のコーティングが施されている。しっとりとした手触りが印象的だ。

 背面部に搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は62.16ワットアワーで、公称のバッテリー駆動時間は約4時間となっている。付属のACアダプタは、実測57(幅)×132(奥行き)×31(高さ)ミリとやや大きめ。ACケーブルも3ピンで太く、ケーブル込みの重量は実測で514グラムあった。モバイルでの利用も想定している製品だけに、この辺りはもう少し気を使ってもらいたかったところだ。

Ivy Bridge+ハイブリッドGPUによるパワフルな基本システム

小型ボディながら、クアッドコアの第3世代Core i7やGeForce GT 650Mなどハイスペックパーツを搭載

 CPUには「IvyBridge」の開発コードネームで知られる第3世代のモバイル向けCore i7を採用している。このCPUは、3Dトランジスタ技術を世界に先駆けて導入した22ナノミリプロセスルールを採用することで、第2世代(開発コードネームSandy Bridge)以上に高いレベルで高性能と低消費電力を両立しているのが特徴だ。

 本製品が搭載するCore i7-3612QMは、4つのコアを内蔵するクアッドコアモデルで、Hyper-Threadingにより、8スレッドの同時処理に対応している。定格の動作クロックは2.1GHzだが、Turbo Boost 2.0に対応しており、4コアアクティブ時で2.8GHz、2コアアクティブ時で最大3GHz、最大(1コアアクティブ時)で3.1GHzで動作する。TDPは35ワットだ。

 グラフィックス機能は、NVIDIAのモバイル向けハイエンドGPU「GeForce GT 650M」(メモリ容量2Gバイト)とCore i7-3612QM内蔵の「Intel HD Graphics 4000」のハイブリッドグラフィックス構成を採用している。NVIDIA Optimus Technologyにより、両方のGPUを使用するアプリケーションに応じてシームレスに切り替えて使い分けることができる。

 GPUの使い分けはNVIDIAのドライバによって自動的に判断される。標準では3Dゲームなど3D描画性能が必要なアプリケーションはGeForce GT630Mに、Webブラウザや動画再生/動画変換ソフトなどはIntel HD Graphics 4000が使われる。これらの設定はNVIDIAコントロールパネルで確認することができ、必要ならばユーザーが好きなように変更することも可能だ。

CPUにはCore i7-3612QMを搭載する。開発コードネーム「Ivy Bridge」の名で知られる第3世代Core i7のクアッドコアモデルだ。アイドル〜低負荷時は最低1.2GHzまでクロックを自動で下げて消費電力を節約する。高負荷時にはTurbo Boost 2.0により、4コアアクティブ時で最大2.8GHz、2コアアクティブ時で最大3GHz、最大(1コアアクティブ時)では3.1GHzで動作する

NVIDIAの最新モバイル向けGPU「GeForce GT 650M」を搭載。28ナノプロセスで製造される開発コードネーム「Kepler」世代の最新GPUであり、384個のCUDAコアを内蔵する高性能モデルだ。GPU-Zの表示では、GPUクロック835MHz(ブーストクロック950MHz)、メモリクロック900MHzと、NVIDIAが公表しているスペックとは若干異なっており、少しカスタマイズされているようだ(画面=左)。NVIDIA Optimus Technologyに対応しており、GeForce GT 650MとCPU内蔵GPU(Intel HD Graphics 4000)がアプリケーションごとに切り替えて使われる。使い分けの設定はNVIDIAコントロールパネルで確認できる(画面=右)

Serial ATA 6Gbps対応高速SSDを搭載

メモリはPC3-12800 SO-DIMM(DDR3-1600)に対応し、8Gバイト(4Gバイト×2)を搭載している

 チップセットは、IvyBridge向けのIntel HM76 Expressを搭載している。メモリはPC3-12800 SO-DIMMに対応し、8Gバイト(4Gバイト×4枚)を搭載している。データストレージは256Gバイトの2.5インチSSD(Serial ATA 6Gbps)を採用。光学ドライブは内蔵していない。

 なお、WebページのスペックではゴールドモデルのSSDは、「A-DATA SX900シリーズ」と記載されているが、評価機は試作機のためか「A-DATA S511シリーズ」の240Gバイトモデルが搭載されていた。いずれもコントローラはSandForce SF-2281搭載SSD「SSD S511」であるが、SX900シリーズのほうが上位グレードで、非圧縮データ転送時の落ち込みが少ないという特徴がある。

 通信機能は、有線LAN(1000BASE-T)に加えて、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 3.0+HSを装備。端子類は、2基のUSB 3.0に加えて、USB 2.0、メモリーカードスロット(SDXC/SDHC、MMC、メモリースティックProなどに対応)も備える。さらに、ヘッドフォン、マイクのほか、ディスプレイ出力としてHDMI、D-Sub15ピンを装備するなど、小柄なボディながらひととおりの端子類をも備えている。液晶ベゼル上部には130万画素のWebカメラも内蔵する。

130万画素Webカメラを液晶上部に内蔵する

 ほかの基本構成モデルとしては、16Gバイトの大容量メモリを搭載するプラチナモデルや、データストレージに120GバイトSSD(A-DATA S511)を搭載するシルバーモデルカスタム、データストレージに2.5インチHDDを搭載するシルバーモデルなどが用意されているので、自分の用途や予算にあわせて最適なモデルを選んでほしい。

 プリインストールOSには64ビット版のWindows 7を採用しており、Home Premium、Professional、Ultimateと3種類のエディションから選べる。また、オフィスソフトの追加も可能で、Microsoft Office Home and Business 2010、Microsoft Office Personal 2010、Microsoft Office Professional 2010のほか、互換OfficeソフトのKingsoft Office 2012 Standardまで選択肢は幅広い。

本体前面/背面/左側面/右側面。端子類は、前面左端にメモリーカードスロットを搭載する以外は左右側面に振り分けられている。構成、数ともに、モバイルPCとしては十分な内容だ

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