バッテリー駆動時間は海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。無線LANでネットに常時接続し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定をオンにしている。
WebブラウザはInternet Explorer 9(32ビット)を指定し、タブブラウズはオフに設定した。また、Bluetoothはオフ、キーボードバックライトは最小で、電源プランはOS標準の「バランス(ディスプレイ輝度40%)」のほか、ZENBOOK Prime UX21Aについては「Battery Saving(ディスプレイ輝度23%、最大プロセッサの状態50%)」でもテストした。
この条件でバッテリー満充電から残量5%になって休止状態に入るまでの駆動時間は、ZENBOOK Prime UX21Aがバランス設定で5時間6分、Battery Saving設定で5時間31分、ZENBOOK UX21がバランス設定で5時間8分だった。公称値の約5.1時間(ZENBOOK Prime UX21A)/約5.2時間(ZENBOOK UX21A)に近いバッテリー駆動が可能と、良好な結果だ。
前回取り上げた13.3型のZENBOOK Prime UX31Aにおけるバッテリー駆動時間の実測値(6時間22分/バランス)とバッテリー容量の比較(13.3型モデルの容量は約1.3倍)、画面サイズの差などを考慮すれば、理解できる範囲内の結果といえる。いずれにしても、常時接続環境でこれだけバッテリーが持つのであれば、十分だろう。
動作時の発熱と騒音もチェックした。発熱については、ボディが小さいぶん、13.3型のZENBOOK Prime UX31Aよりも全体的に温度が高めだった。とはいえ、操作中に手が触れるキーボードやパームレストには熱が伝わりにくいので、普段机上で使っていて不快な熱を感じることはないだろう。高負荷時は底面奥側のスリット付近が熱くなる。
静音性に関しては、ZENBOOK Prime UX31Aよりもファンが回り出すタイミングが早い感覚があるが、高負荷時にもそれほどうるさいという印象はない。ただし、前述したように3D描画系ベンチマークテストにおいて、発熱が原因と思われるスコアのバラツキが見られた点は、改めて指摘しておく。
レビュー前編の冒頭で述べたように、ZENBOOK Prime UX21Aの価格は13.3型モデルより1万円安い12万9800円だ。他社が対応できていないUltrabookへのフルHD/IPS液晶搭載をあっさりとやってのけたうえで、この価格である。圧倒的ではないだろうか。
この液晶ディスプレイは明るさ、見やすさ、いずれもUltrabookとしては最上位だ。11.6型でフルHDを実現したことで、画素密度190ppiによる精細な表示という付加価値も獲得している。写真や動画はもちろん、オフィスアプリケーションの表示も品があって美しい。プレゼンテーションやゲームの画面なども実に美しく表示できる。
店頭で展示機を見る機会があれば、ぜひ液晶ディスプレイをチェックしていただきたい。これに慣れてしまったら、もう普通のノートPCのTNパネルには戻れないのではないか、そう思わせるほどの差がある。
11型クラスの液晶ディスプレイを搭載したUltrabookは少ないが、画面のサイズやキーピッチの広さより、コンパクトで軽量なほうを好むユーザーは少なくない。そういったユーザーはもちろん、これまでこのクラスのモバイルPCを検討していなかったユーザーも引きつける魅力にあふれた1台といえる。
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