ベアボーンキット「SZ77R5」で始めるお手軽自作PCイマドキのイタモノ【夏季休暇特別編】(4/4 ページ)

» 2012年08月08日 10時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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ハイエンドゲームPCをキューブベアボーンキットでお手軽に組み立てる

 PCの組み立ては簡単だ。ただ、ATXフォームファクタ準拠で空間に余裕のあるミドルタワーケースで組む自作PCと違って、内部が狭いSZ77R5の組み立てでは、作業の順番がある程度決まってしまうことに注意したい。組み立てる順番を取り違えると、パーツを取り付けるべき場所まで手が届かなくなってしまう。

 SZ77R5というよりXPCシリーズではどれも同じ手順となるが、まず、ケースカバーを開けた後、I.C.Eクーラーやストレージベイを一度外し、内部を広く空けてからPCパーツの組み込みを開始する(この時点で、工数が少なくて済むベアボーンのメリットのことは忘れよう)。CPUの装着とクーラーユニットの取り付けは、リテール版と同じ方法だ。

 CPUソケットのレバーを解除し、CPUとソケットにあるツメの向きを合せて慎重にCPUを載せ、レバーをロックする。そして購入直後であればI.C.Eクーラーユニットのヘッド面にグリスが塗布されているので、そのままCPUソケットの上に載せる。

 I.C.Eクーラーユニットのプッシュピンは、左右に回る構造で、回しきったところがロックとリリースになる。CPUソケットの上に載せたら、ロック方向に回した状態でピンを抜きあげておき、その状態でプッシュピン付近を軽く押し込み、まずは4つのピンをCPUソケット周囲のホールに通し、最後にピンをプッシュして押し込み固定する。固定の前にあらかじめホールに通しておくのが肝心で、これをしておけば1カ所押し込んだときに対角線上のピンが抜けるのを防げる。最後にI.C.Eクーラーユニットの電源ケーブルを拡張スロット横のコネクタに差して完了だ。

 メモリや拡張カード、HDDやSSDなどのストレージを装着していくときも、メモリ、拡張カード、ストレージ、という順番に取り付ける。メモリの固定具と拡張カードはほとんど密着に近い状態なので、長さのある拡張カードを搭載する場合は、逆の順番ではメモリが差せなくなる。すべてを装着したところで、ケースカバーやストレージベイを固定する前に通電チェック、BIOSチェックをしておく。もし、ここで認識されないパーツがあれば、ケーブルやスロットなど、正しく差し込んでいるのかをチェックしよう。意外とこの段階でミスをしていることも多く、完成後の動作不良でチェックすると、こういう不完全な差し込みは見過ごされて、原因にたどり着くまで意外と長い時間を浪費することになる。

電源ユニットも取り外したが、こうなると狭さに苦労することなくPCパーツの組み込みが可能だ。コンパクトでも組み立てやすい(写真=左)。ストレージデバイス以外のパーツを組み込んだ。ATXフォームファクタ準拠のミドルタワーケースを使った自作と比べて内部が混みあっているが、ここで説明した順番で組み立てていけば問題ない(写真=右)

自作PCの面白さは、組み立てた後にも!

 今回、SZ77R5に組み込んだPCパーツは、CPUがLGA1155対応のCoreプロセッサー・ファミリーで最上位モデルのCore i7-3770K、グラフィックスカードはASUSの「GTX680-2GD5」で、2012年夏時点でシングルGPU最強のGeForce GTX 680を実装する。SSDはSerial ATA 6Gbps対応のPlextor PX-128M2P、システムメモリはDDR3-1600として用いるが、DDR3-1866まで対応しているG.Skill F3-14900CL9Q-16GBXLを2枚組み込んだ。ミドルタワーPCでも「ゲーミングPC」といえる構成を、キューブPCに詰め込んだことになる。

 ベアボーンキットを使って、うまくPCを組み立てられただろうか。次回は、組み立てたPCの性能をベンチマークテストで“実感”してから、自作PCの本領発揮となる「パーツを変えて性能アップ」について紹介する予定だ。

SZ77R5に“詰め込んだ”PCパーツリスト
CPU Core i7-3770K(3.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz、4コア/8スレッド、TDP 77ワット)
システムメモリ G.Skill F3-14900CL9Q-16GBXL(4Gバイト×2枚、DDR3-1600設定で動作)
SSD Plextor PX-128M2P(容量128Gバイト、Serial ATA 6Gbps対応)
グラフィックスカード ASUS GTX680-2GD5(GeForce GTX 680搭載)

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