レビュー
» 2012年10月18日 12時30分 公開

「VAIO Duo 11」徹底検証(後編)――変形ボディに秘められた真の実力とは?いよいよエントリー販売開始(4/6 ページ)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

3D描画やゲーム系ベンチでCPU統合グラフィックスの性能を調べる

・3DMark 11、3DMark Vantage、3DMark06

 3Dグラフィックスのパフォーマンスをより詳しく調べるため、総合的な3D描画性能を計測する定番ベンチマークテストの3DMark 11、3DMark Vantage、3DMark06も実行した。

左が3DMark 11 v1.0.3、中央が3DMark Vantage v1.2.0、右が3DMark06 v1.2.0のスコア

 テスト結果を並べた4台はすべて、グラフィックス機能にCPU統合のIntel HD Graphics 4000を用いているが、CPUグレードとメモリ容量、ストレージ構成の違いがスコアに影響を与えている。ハイスペックなVAIO Tの直販モデルとVAIO Duo 11の直販モデルがほぼ同レベルのスコアで、それに1歩遅れてVAIO Duo 11の店頭モデル、そしてVAIO Tの店頭モデルが続く格好だ。

 グラフィックスにIntel HD Graphics 3000を用いていた第2世代Core搭載のUltrabookでは、3DMark VantageのEntry設定で7000〜8000程度、Performance設定で1500〜1800程度のスコアだったため、Ivy Bridge世代としての性能向上は確かに見られる。

・MHFベンチマーク【絆】/【大討伐】、ストリートファイターIV

 ゲーム系ベンチマークテストは、モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマークソフト【絆】および【大討伐】、ストリートファイターIVベンチマークを実行した。

左からMHFベンチマーク【絆】、MHFベンチマーク【大討伐】、ストリートファイターIVベンチマークのテスト結果

 テスト結果は3Dグラフィックス系ベンチマークテストと似た傾向だが、VAIO Duo 11の店頭モデルと直販モデルの差が縮まった。VAIO Tの直販モデルも含め、SSDのみをストレージに採用した3台がほぼ横並びとなっている。

 MHFベンチマークの結果を見ると、上位3台は高解像度でなければ十分プレイできるレベルだが、VAIO Tの店頭モデルは低解像度でも快適にプレイするのが少し厳しいかもしれない。ストリートファイターIVでは、VAIO Duo 11の2台が標準的な設定でランクA(非常に快適にプレイ可能)を獲得しているが、VAIO Tの店頭モデルはランクDにとどまる。

 VAIO Duo 11のグラフィックスはエントリーGPUレベルの3D描画性能といえるが、今回テストしたタイトルや描画負荷の高くないオンラインゲームなど、対応できることも多いだろう。

バッテリー駆動時間はシートバッテリーでどこまで延びる?

 次にバッテリー駆動時間をテストする。レビュー前編のおさらいとなるが、バッテリー駆動時間の公称値は、店頭モデルで約7時間だ。オプションで底面に装着するシート型の拡張バッテリー「VGP-BPSC31」(1万5000円前後)も用意されており、これを装着すれば、公称値で約14時間まで駆動時間を延長できる。

 公称容量(平均容量)は内蔵の標準バッテリーが39.22ワットアワー/5300ミリアンペアアワー、拡張バッテリーが38.48ワットアワー/5200ミリアンペアアワーだ(いずれも4セルのリチウムイオンバッテリー)。

 ちなみに、付属のACアダプタ(出力10.5ボルト/4.3アンペア)はコンパクトにまとまっており、1時間で標準バッテリーを約80%充電できる急速充電にも対応する。

内蔵バッテリーは着脱できない仕様だ。付属のACアダプタは小型軽量にまとまっている(写真=左)。バッテリーの充電量を低く設定(80%もしくは50%)することで、バッテリーの寿命をより長持ちさせる「バッテリーいたわり充電モード」を備える(画面=中央)。ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時のそれぞれで、液晶ディスプレイのリフレッシュレートを通常の60Hzから40Hzに下げて、消費電力を抑える機能も持つ(画面=右)

底面に装着するシート型の拡張バッテリーをオプションで用意(写真=左)。シートバッテリーはフックとレバー操作で簡単に着脱できるほか、デジタイザスタイラスの収納スロットが設けられている(写真=中央)。シートバッテリーは、本体付属のACアダプタを直接つないで充電することも可能だ。シートバッテリーは本体に密着せず、放熱のための空間が設けられているため、装着時の厚さは最厚部で34ミリ(実測値)まで膨らむ。シートバッテリーを装着すると、後方が持ち上がってキーボードがチルトし、液晶ディスプレイ部の角度が約125度(実測値)に固定される(写真=右)

 ここでは、実際にWebブラウズにおけるバッテリー駆動時間を計測してみた。計測に用いたソフトはBBench 1.01(海人氏作)だ。BBenchは10秒ごとにキーボード入力、60秒ごとに無線LANによるインターネット巡回(10サイト)を行う設定とした。

 Windows 7の電源プランは、標準の「バランス」(液晶の輝度40%)と「省電力」(液晶の輝度20%)の2パターンでテストを実施。店頭モデルと直販モデルのそれぞれにシートバッテリーを装着した状態でもテストしている。いずれも満充電の状態からテストを開始し、バッテリー残量がなくなり、シャットダウンするまでの時間を計測した。

BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間

 テスト結果は、標準のバランス設定で店頭モデルが4時間33分、直販モデルが4時間12分、省電力設定で店頭モデルが4時間49分、直販モデルが4時間21分動作した。スペックが低い店頭モデルのほうが、バランス設定で21分、省電力設定で28分バッテリーが長持ちしている。いずれもスタミナ不足で困るほどではないが、このサイズのUltrabookとしては少し短めのバッテリー駆動時間ではある。

 VAIO Duo 11は単に11.6型Ultrabookというわけではなく、IPS方式のフルHD液晶ディスプレイをはじめ、タッチパネルやデジタイザスタイラスへの対応、タブレットモードでの利便性に配慮した各種センサー類など、通常のモバイルノートPCより消費電力がかさむパーツ類がギッシリと詰め込まれている。控えめなバッテリー駆動時間については、高性能と多機能のトレードオフとして許容すべきだろう。

 とはいえ、標準バッテリーの駆動時間を補うべく、高機能なシート型の拡張バッテリーが用意されているのは気が利いている。薄型設計を重視するUltrabookでは通常、内蔵バッテリーをユーザーが取り外すことができず、オプションの拡張バッテリーも用意されないため、バッテリーの選択肢があるだけでも高く評価できる。

 拡張バッテリーを装着すると、厚さは最厚部で34ミリ(実測値)まで膨らみ、重量が324グラム増すが、さらに4時間以上バッテリー駆動時間を延ばすことが可能だった。店頭モデルの省電力設定では9時間を超える長時間駆動を達成したことから、厚さや重さが多少増えても、長時間のバッテリー駆動が必須というシーンでは活躍するに違いない。

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