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» 2012年10月18日 12時30分 公開

「VAIO Duo 11」徹底検証(後編)――変形ボディに秘められた真の実力とは?いよいよエントリー販売開始(3/6 ページ)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

Ultrabookとしてはハイスペックな基本性能を定番テストで確認する

 ここからは、VAIO Duo 11が第3世代Coreを搭載したUltrabookとして性能面で満足に足るのか、そしてスペックの異なる店頭モデルと直販モデルでどの程度の差が生じるのか、各種パフォーマンステストの結果を追っていこう。Windows 8の電源プランは「高パフォーマンス」、本体の冷却とパフォーマンス設定は「標準」を選択してテストしている。

 テスト結果のグラフには、同じ低電圧の第3世代Coreを採用したUltrabookであるVAIO T(11.6型/2012年夏モデル)のスコアも併記した。ただし、Windows 7搭載モデルのスコアなので、テスト結果の比較は参考程度に見ていただきたい。

 主なスペックは下表の通りだ。

今回テストしたVAIO Duo 11と結果を比較したVAIO Tの主な仕様
シリーズ名 VAIO Duo 11 VAIO T(11)
製品名 SVD11219CJB SVD1121AJ SVT11119FJS SVT1111AJ
分類 店頭向け標準仕様モデル VAIOオーナーメードモデル 店頭向け標準仕様モデル VAIOオーナーメードモデル
CPU Core i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz) Core i7-3667U (2.0GHz/最大3.2GHz) Core i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz) Core i7-3517U (1.9GHz/最大3.0GHz)
チップセット Intel HM76 Express Intel HM77 Express
グラフィックス Intel HD Graphics 4000
液晶(サイズ、解像度) 11.6型ワイド(1920×1080ドット)、静電容量式タッチパネル、デジタイザスタイラス対応(筆圧検知256段階) 11.6型ワイド(1366×768ドット)
メモリ 4Gバイト(2Gバイトオンボード+2Gバイト×1) DDR3L-1600 SDRAM 8Gバイト(4Gバイトオンボード+4Gバイト×1) DDR3L-1600 SDRAM 4Gバイト(オンボード) DDR3L-1333 SDRAM 8Gバイト(オンボード4Gバイト+4Gバイト×1) DDR3L-1333 SDRAM
データストレージ 128GバイトSSD 6Gbps mSATA 256GバイトSSD 6Gbps mSATA 500GバイトHDD(5400rpm)+32GバイトSSD(ISRT) 512GバイトSSD 6Gbps SATA
OS 64ビット版Windows 8 64ビット版Windows 8 Pro 64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)

・Windowsエクスペリエンスインデックス

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスについては、Windows 8で最高スコアが従来の7.9から9.9にアップしたため、Windows 7を搭載したVAIO Tのスコアは割愛した。

 VAIO Duo 11の2台を見てみると、グラフィックスは5.5、ゲーム用グラフィックスは6.4、プライマリハードディスクは8.1と共通だ。一番高いプライマリハードディスクのスコアは、いずれも高速なSSDの採用により、従来の最高スコアである7.9の壁を突破している点に注目したい。

 そのほかのスコアでは、ハイスペックな直販モデルが店頭モデルを上回った。プロセッサは7.2、メモリは7.5を獲得しており、Ultrabookとしては最高クラスの成績といえる。もっとも、店頭モデルでもプロセッサで6.9、メモリで5.9を確保しているため、Windows 8を軽快に扱うのに十分なスペックだ。

 なお、最もスコアの差が開いたメモリは、オンボード実装と独自モジュールの組み合わせで構成されているため、購入後の換装や増設は行えない。パフォーマンスが求められる用途での導入を検討していて、店頭モデルの4Gバイトメモリが物足りないと感じるならば、直販モデルで最初から8Gバイトにしておく必要がある。

各モデルのスコア。左がVAIO Duo 11の店頭モデル、右が直販モデルだ

・PCMark 7、CINEBENCH R11.5

 アプリケーションベースの定番ベンチマークテストであるPCMark 7(Windows 8互換のSystemInfo 4.11を導入済み)を実行し、システム全体のパフォーマンスを確認した。また、OpenGLとCPUの性能を計測するCINEBENCH R11.5も走らせた。

 なお、PC USERのレビューでおなじみのテストであるPCMark Vantage(x64)については、テスト実施時の段階でWindows 8をサポートしておらず、スコアが算出されないため、割愛している。

左がPCMark 7 v1.0.4、右がCINEBENCH R11.5のスコア

 まずはPCMark 7のスコアだが、同テストを作成したFuturemarkによると、第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)と第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)を搭載したPCの場合、Windows 8上でのテスト結果は、Windows 7上でのテスト結果よりスコアが下回ることが確認されているという。これは、ハードウェアアクセラレータによる動画エンコードに影響を与えるインテルのグラフィックスドライバに問題があるため、と説明されている。

 さて、実際のテスト結果を見ると、Windows 8環境でスコアが低下しているとは到底思えない優秀なスコアが得られた。テスト結果の傾向はWindowsエクスペリエンスインデックスに似ており、VAIO Duo 11の2台はWindows 8搭載機として高い性能を示した。特に直販モデルのスコアは、総合スコアで5338と頭1つ抜けている。店頭モデルについても、CPUグレードで劣るVAIO Tの直販モデルに総合スコアで上回っているのは見逃せない。

 動画エンコードの性能が関係する総合テストやCreativity、Computationなどのスコアも大きく伸びていることから、Futuremarkが問題を認識したグラフィックスドライバより、新しいバージョンもしくは違うドライバが導入されていると考えられる。

 逆にLightWeightやProductivityのスコアが、Windows 7搭載のVAIO Tに比べて落ち込んでいるが、これはVAIO Duo 11の2台でText Editingテストのスコアが異常に低かったためだ。このテスト結果については、性能を正しく反映していないものとみられる。

 一方、CINEBENCH R11.5のCPUスコアは、スペックを正しく反映した結果が出た。OpenGLのテストについては、Windows 8環境と対応ドライバの関係か、Windows 7搭載のVAIO Tよりスコアが伸びている。

・CrystalDiskMark 3.0

CrystalDiskMark 3.0.1cのスコア

 VAIO Duo 11が搭載するSSDのテストは、ストレージのリード/ライト性能を調べるCrystalDiskMark 3.0.1c(ひよひよ氏作)を実行した。

 結果は256GバイトSSDを装備したVAIO Duo 11の直販モデルが、その強さを見せつけた。512GバイトSSDを内蔵したVAIO Tの直販モデルも高速だが、ほとんどの項目でこれを上回っている。

 テストした4台の中で唯一、シーケンシャルリードで500Mバイト/秒の大台に乗ったことに加えて、シーケンシャルライトもランダムアクセスのリードとライトも高速で隙がない。Ultrabook搭載のSSDとしては、全体にハイレベルでバランスが取れた速さを発揮しており、満足のいく性能だ。

 128GバイトSSDを備えたVAIO Duo 11の店頭モデルは、256GバイトSSD搭載の直販モデルには見劣りするものの、こちらもスコアのバランスがよく、SSDの魅力であるサクサクとした動作が十分味わえる。HDDとキャッシュ用SSDを組み合わせたVAIO Tの店頭モデルでもHDD単体のノートPCより高速なのだが、これとは明らかな差が付いた。

CrystalDiskMark 3.0.1cのスコア。左が店頭モデルの128GバイトSSD、右が直販モデルの256GバイトSSDで実行した結果だ。上のグラフは5回平均の結果なので、こちらの画面とスコアは異なる

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