←・「VAIO Duo 11」徹底検証(前編)――“スライダーハイブリッドPC”は新時代を告げる
←・「VAIO Duo 11」徹底検証(中編)――11.6型フルHDのIPS液晶と筆圧検知ペンを味わう
ユニークな変形ボディやフルHDのIPS液晶、ペン入力は魅力だが、モバイルPCとしての基本性能は満足できるのか――。
ソニーが“スライダーハイブリッドPC”と呼ぶ「VAIO Duo 11」は、ワンアクションでタブレットとノートPCのスタイルを切り替えられる新デザインの11.6型モバイルノートPCだ。タッチUI(ユーザーインタフェース)と従来型のデスクトップUIが両方備わったWindows 8をフル活用できる新スタイルのモバイルPCに仕上がっている。
先に掲載したレビューの前編では、独自のSurf Sliderデザインをはじめ、PCとしての基本スペックや各部の仕様を一通りチェックした。また、レビューの中編では、液晶ディスプレイの表示品質に加えて、10点マルチタッチ対応のタッチパネル、筆圧検知が可能なデジタイザスタイラス(ペン)、キーボード、小型の光学式ポインターと、多彩な入力環境を試した。
完結編となる今回のレビュー後編では、起動や復帰のレスポンス、SSDの速度を含むパフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作中の発熱や騒音といった、モバイルPCに求められる要素をじっくりテストしていこう。
テストしたのは、店頭販売向けの標準仕様モデル「SVD11219CJB」と、ソニーストア直販のハイスペックなVAIOオーナメードモデル「SVD1121AJ」の2台だ。いずれも最終に近い試作機だが、実際の製品とは仕様が一部異なる可能性もある。
各テストでは、CPU、メモリ容量、SSD容量の違いがある店頭モデルと直販モデルにおいて、どれだけパフォーマンスやバッテリー駆動時間、さらには発熱や騒音といった部分に差が出るのかに注目したい。


CPUは第3世代CoreのTDP(熱設計電力)が17ワットと低いモデル(下)、チップセットは1チップ構成のIntel HM76 Express(上)を採用する(写真=左)。メモリはDDR3L-1600 SDRAMで専用モジュール(上)、SSDは6Gbps対応のmSATAタイプ(下)を搭載(写真=中央)。直販モデルでメモリ8Gバイトを選択すると、4Gバイトぶんがオンボード実装となり、6Gバイトや4Gバイトを選択すると、2Gバイトぶんがオンボード実装となる(写真=右)。店頭モデルの4Gバイトメモリも2Gバイトぶんはオンボード実装だ。本体部は薄いが、メモリのデュアルチャンネル動作をしっかりサポートしている| 今回テストした「VAIO Duo 11」の主な仕様 | ||
|---|---|---|
| 製品名 | SVD11219CJB | SVD1121AJ |
| 分類 | 店頭向け標準仕様モデル | VAIOオーナーメードモデル |
| CPU | Core i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz) | Core i7-3667U (2.0GHz/最大3.2GHz) |
| チップセット | Intel HM76 Express | |
| グラフィックス | Intel HD Graphics 4000 | |
| 液晶(サイズ、解像度) | 11.6型ワイド(1920×1080ドット)、静電容量式タッチパネル、デジタイザスタイラス対応(筆圧検知256段階) | |
| メモリ | 4Gバイト(2Gバイトオンボード+2Gバイト×1) 専用スロット(交換不可) DDR3L-1600 SDRAM | 8Gバイト(4Gバイトオンボード+4Gバイト×1) 専用スロット(交換不可) DDR3L-1600 SDRAM |
| データストレージ | 128GバイトSSD 6Gbps mSATA/MLC | 256GバイトSSD 6Gbps mSATA/MLC |
| 光学ドライブ | − | |
| WiMAX+無線LAN | WiMAX+IEEE802.11b/g/n無線LAN | |
| GPS | 搭載 | − |
| TPMセキュリティチップ | − | |
| HD Webカメラ | フロント+リア | |
| キーボード | 日本語配列 | 日本語配列(かな文字なし) |
| バックライトキーボード | 搭載 | |
| ノイズキャンセリングヘッドフォン+S-Master | 付属 | |
| 液晶保護シート | − | |
| バッテリー | 内蔵バッテリー | |
| 公称値の本体サイズ | 319.9(幅)×199(奥行き)×17.85(高さ)ミリ | |
| 公称値の本体重量 | 約1.305キロ | 約1.29キロ以上(構成によって異なる) |
| 実測での本体重量 | 1.286キロ | 1.295キロ |
| 公称値のバッテリー駆動時間 | 約7時間 | 約6.5〜7時間(構成によって異なる) |
| OS | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 8 Pro |
| オフィススイート | Microsoft Office Home and Business 2010 | − |
| 静止画編集ソフト | Adobe Photoshop Elements 10 | Adobe Photoshop Elements 10(30日体験版) |
| メーカー保証 | 1年 | 3年ベーシック |
| 標準価格 | オープン | 9万9800円〜(ソニーストア販売価格) |
| 実売価格 | 15万円前後 | 17万8800円(ソニーストア販売価格・上記の構成) |


店頭販売向け標準仕様モデル「SVD11219CJB」のデバイスマネージャ画面。CPUは2コア/4スレッド対応のCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz、3次キャッシュ3Mバイト)、メモリはDDR3L-1600 SDRAMで4Gバイト(2Gバイトオンボード+2Gバイト×1)、ストレージは128GバイトSSD(6Gbps mSATA)を採用する。評価機のSSDはSamsung MZMPC128HBFU、IEEE802.11b/g/nの無線LANとWiMAXのアダプタはCentrino Wireless-N + WiMAX 6150、Bluetooth 4.0のアダプタはQualcomm Atheros AR3012だった

直販専売VAIOオーナメードモデル「SVD1121AJ」のデバイスマネージャ画面。CPUは2コア/4スレッド対応のCore i7-3667U(2.0GHz/最大3.2GHz、3次キャッシュ4Mバイト)、メモリはDDR3L-1600 SDRAMで8Gバイト(オンボード4Gバイト+4Gバイト)、ストレージは256GバイトSSD(6Gbps mSATA)を採用する。評価機のSSDはTOSHIBA THNSNS256GMCPだったCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.