富士通が2012年PC秋冬モデルとして発表した「Floral Kiss」(FMV LIFEBOOK CH55/J)は、おしゃれに敏感な女子のために、女性が企画・デザインした13.3型Ultrabookだ。担当者が「女性目線にこだわった」と自信を持って語るFloral Kissの特徴を写真で細かく見ていこう。
Floral Kissは、エレガントホワイト(FMVC55JW)、ラグジュアリーブラウン(FMVC55JBR)、フェミニンピンク(FMVC55JPK)という3色のカラーバリエーションを用意している。いずれも光沢感のあるボディにラメをちりばめたグラデーションカラーで、光の加減で透明感を増したり、目を近づけるとキラキラと光っているのが分かる。
Floral Kissの見どころは、「女性向け=単なるカラバリ」ではなく、細部まで作り込んだデザインにある。今回の撮影ではよくありがちなピンクではなく、大人らしい印象のラグジュアリーブラウンを選んだが、それでも男性が持つのにためらいを覚える雰囲気があり、「なるほど、女性“専用”だなー」と感じる部分が多かった。
例えば、FUJITSUロゴのそばに埋め込まれたクリスタルや、ダイヤモンドカットの電源/Caps LockステータスLED、パール調の電源ボタンなど、宝石を連想させるアクセントが多用されている。製品に付属するマウスも同様で、ダイヤモンドカットストーンを配したデザインは、PC用機器というよりも何かおしゃれな小物や雑貨のようだ。
さらに、ツメの長い女性でも使いやすいように、ディスプレイの開閉部は財布の「がま口」のようなクラッチ形状にし、パール調の電源ボタンはそっと触れるだけで起動するタッチセンサー式を採用するなど、企画段階からユーザーの利用シーンをきちんと考えていたのが見て取れる。普段秋葉原に常駐しているような記者が、Floral Kissのデザインについて女子目線で善し悪しを語るのは不可能だが、実機を触っていてひどくアウェイ感があったのは確かだ。
ただ1点、キーボードのデザインは、個人的にとてもすばらしいと感じた。透明なキートップの枠をゴールドリングで囲み、中央にアルファベットのみをプリントしたシンプルなものだが、文字の影がキートップ下の白い部分に落ちて立体感を作り出しているのが面白い。ゴールドのファンクションキーとのコントラストも目を引く。
「タイピング中に手元をエレガントに見せるデザイン」(製品担当者)かどうかはともかく、これは是非ほかのモデルでも展開してほしい。
このほか、有名ジュエリーブランド「agete」とのコラボモデルも11月下旬に発売される予定。こちらはブランドカラーのプレシャスバイオレット(FMVC55JAG)を採用し、天面にageteのロゴが入るほか、キートップの刻印が筆記体になり、専用のキャリングバッグやポーチ、壁紙も付属する。
最後に基本スペックについて少し触れておくと、CPUがCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)、メモリが4Gバイト(PC3-12800)、ストレージが500GバイトHDD(5400rpm)+高速処理用キャッシュSSDという構成だ。プリインストールOSは64ビット版Windows 8、オフィススイートはOffice Home and Business 2010を採用する。
光学ドライブは搭載しないものの、普段使いのメインマシンとして十分な性能を備えるほか、バッテリー駆動時間も約9時間を確保(公称値)。IEEE802.11b/g/nの無線LANモジュールに加えてWiMAXも標準装備しているので、いつもカバンに入れて持ち歩き、カフェや旅行先で使いたい、という用途にも向いている。
ただ、本体サイズは322(幅)×228.5(奥行き)×17.5(高さ)ミリ、重量は約1.45キロと、14型Ultrabookの「FMV LIFEBOOK UH75/J」とほぼ変わらず、やや厚みがある点には注意したい。
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