IntelブースでRazerの“ゲーミング”タブレットPCを握ってみた2013 International CES

» 2013年01月09日 12時53分 公開
[ITmedia]

展示の主役はUltrabookからタブレットPCにシフト

 2013 International CESが、1月8日(現地時間)に開幕した。その直前、当日の朝7時から、Intelが展示ブースを関係者に公開している。最近のIntelブースは、Sandy Bridge、Ivy Bridgeといった、その年の最新CPUを採用するPCで、新世代アーキテクチャの優位性をアピールする展示内容が続いている。2012 CESでは、CPUやチップセットといったパーツレベルではなく、Ultrabookというフォームファクタを訴求していた。2013 CESでは、Ultabookは、タッチパネル搭載とコンバーチブルタイプを重点的に展示するほか、タブレットPCの数を大幅に増やすなど、展示内容の“主役”がUltrabookからタブレットPCにシフトした印象を受けた。

 展示するタブレットPCは、“Clover Trail”世代のAtom、または、第3世代Coreプロセッサー・ファミリーのTDP 17ワットタイプを搭載するモデルだ。その比率は5:5で、Coreプロセッサー・ファミリーもスレートタイプのタブレットPCに搭載できることと、タブレットPCでも高い性能を発揮できることを訴求している。OSは、当然ながらすべてWindows 8シリーズを導入する。

タブレットPCの展示が明らかに増えている2013 CESのIntelブース(写真=左)。Ultrabook(というかクラムシェルスタイルの“通常型”ノートPC)はブースのオブジェクトとして大量に使っていた(写真=右)

ゲームに特化した重量級タブレットPCが登場

 Coreプロセッサー・ファミリーを搭載するモデルは、高い処理能力をタブレットPCで利用できることを訴求するが、その典型的な例が、Razerが開発したゲーミングタブレットPCの「Razer Edge Pro」「Razer Edge」だ。ゲームコントローラを兼ねたケースもオプションで用意するなど、PCゲームの操作に特化したタブレットPCとしてデザインしている。

 本体には10.1型ワイド液晶ディスプレイ(解像度は1366×768ドット)を採用し、展示機材のCPUはRazer Edge ProでCore i7-3517U(1.9GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.0GHz)を、Razer Edgeでは、Core i5-3317U(1.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.6GHz)を搭載するだけでなく、外付けのグラフィックスコアとしてGeForce GT640M LEも実装する。なお、NVIDIAのOptimus Technologyにも対応している。データストレージはRazer Edge Proが容量128Gバイト、または、256GバイトのSSD、Razer Edgeが容量64GバイトのSSDを搭載する。本体にはUSB 3.0とHDMIを備えるほか、無線接続ではIEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth v4.0を利用できる。

 RazerのWebページでは受注を始めていて、タブレットPC本体の価格がRazer Edge Proで1299.99ドル、Razer Edgeで999.99ドル、ゲームコントローラ兼ケースが249.99ドル、また、キーボードを搭載するドッキングステーションが199.99ドル、そして、キーボードを搭載しないインタフェース拡張ステーションが99.99ドルとなっている(ただし、出荷は米国限定)。

Razerの“ゲーミング”タブレットPCは、スレートタイプの本体のほかに、専用のゲームコントローラを利用して、“でっかいPSP”のような感覚でPCゲームをプレイできる

RazerゲーミングタブレットPCの専用コントローラは、汎用のタブレットデバイスケースのような外枠とその左右にゲームコントローラとなるハンドルを設けている。コントローラには拡張バッテリーを搭載する予定だが、展示機材はダミーを載せていた

左右のハンドルには、ゲームの操作に必須のスティック、カーソルボタン、左右ボタンを備える

Razerのブースには、キーボード搭載ドッキングステーションに載せたRazer Edge Proも展示していた(写真=左)。本体をただ載せるのではなく、こちらもケースにはめて使う。本体側ケースとキーボード側ドッキングステーションは革らしき柔軟な素材でつながっている。ドッキングステーション側にもUSBを確認した(写真=中央)。キーボードを搭載しないインタフェース拡張ステーションも用意していて、こちらに接続すると、背面にある3基のUSBとHDMI出力を利用できる(写真=右)

個人でもマルチコンテンツ配信システムがケーブルをつなぐだけで

 Multiscreen TVのコーナーでは、Comcastの「Xfinity」を紹介していた。Xfinityは、米国でケーブルTV会社大手のcomcastが提供するサービスで、テレビ番組の配信に加えて、ストリーミングコンテンツの配信、SNSの利用、音声通話サービスなど、ブロードバンドネットワークで利用できるコンテンツの複合サービスに規模を拡大している。

 Xfinityのセットボックスを用意するだけで、個人が所有するPC、スマートTV、タブレットデバイスなど、複数のデジタル機器にそれぞれ異なるコンテンツとオンラインサービスを配信できる。このセットボックスが、Atomをはじめとするインテルアーキテクチャを採用している。

Multiscreen TVのデモは、Comcastの「Xfinity」サービスを紹介していた。セットトップボックスにはAtomを基幹とするインテルアーキテクチャを採用する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー