Windows 8世代のスタンダードPCが見えてきた――「VAIO Tシリーズ15」実力診断Ultrabookでもタッチパネル付きの大画面フルHD液晶を搭載(2/4 ページ)

» 2013年02月04日 17時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

最新のTDP 17ワット版Core i7を採用、記録型Blu-ray Discドライブも搭載

 基本システムは、Ultrabookでおなじみの低電圧版Ivy Bridge/Chief Riverプラットフォームを採用。CPUにはCore i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)を搭載する。2013年1月に発表されたばかりの新CPUで、従来のVAIO Tで選択できた低電圧版最上位構成のCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)より基本/最高クロックともに100MHz上昇している。TDP(熱設計電力)はこれまでと同じ17ワットだ。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を利用する。

 メモリは低消費電力のPC3L-12800(DDR3L-1600)を採用し、容量は8Gバイトを搭載する。底面に2基のSO-DIMMスロットが用意されており、4GバイトのPC3L-12800 SO-DIMMを2基装着済みだ。Ultrabookではメモリがシングルチャンネル動作の製品も多いが、これまでのVAIO Tと同様、2組のメモリに同時アクセスすることで転送速度を高速化するデュアルチャンネルアクセスに対応している。

CPU-Zの情報表示画面。CPUには超低電圧版のCore i7-3537Uを採用(画像=左/中央)。デュアルコアCPUでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドの同時実行が可能だ。定格クロックは2.1GHz、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.1GHzで動作する。TDPは17ワットと低い。メモリはPC3L-12800に対応し、標準で8Gバイトを搭載する(画像=右)。底面に2基のSO-DIMMスロットがあり、それぞれに4GバイトのPC3L-12800 SO-DIMMが装着済みだ。デュアルチャンネルアクセスに対応し、メモリ帯域は25.6Gバイト/秒と高速だ

 データストレージは、キャッシュ用SSD(mSATA)とHDD(Serial ATA/5400rpm)のハイブリッドストレージを採用。単体のSSDほど高性能ではないが、HDDより高速で、コストを抑えつつ、レスポンスのよさと大容量を両立できるのが特徴だ。キャッシュ用SSDは24Gバイト、HDD容量は1Tバイトと大容量を搭載する。デバイスマネージャでは、キャッシュ用SSDが「AXM13S2-24GM-B」、HDDが「WDC WD10JPVT-55A1Y0」と表示されていた。

 従来のVAIO Tシリーズでは、SSDのキャッシング方法としてIntel Smart Response Technology(ISRT)を利用していたが、今回はISRTではなく、新たにCondusiv Technologies(旧Diskeeper)のExpressCacheソフトウェアを用いている。これは2013年春モデルのVAIO Tすべてに当てはまる変更だ。

 また、SSDキャッシュの容量が従来の32Gバイトから24Gバイトに減っているが、ソニーによると24Gバイトでもキャッシュとしては十分な容量があり、VAIO Tの旧機種に比べてパフォーマンスが劣ることはないという(パフォーマンステストの結果は後述)。ちなみに、独自の高速起動/低消費電力ソリューション「Rapid Wake + Eco」は引き続き搭載している。

 ボディ右側面に光学ドライブとしてBD-REドライブ(BD-XL対応)も装備している。VAIO Tシリーズは、14型と15.5型に光学ドライブを内蔵しているが、店頭モデルにBlu-ray Discドライブを採用したのは15.5型のみだ。

 通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LAN(最大送受信150Mbps)、Bluetooth 4.0を備えている。

 端子類は、前面にメモリースティックPRO デュオスロットとSDXC対応SDメモリーカードスロットを備えるほか、左右の側面に1基のUSB 3.0と2基のUSB 2.0、HDMI出力、アナログRGB出力、ヘッドフォン出力/マイク入力共用端子を装備する。液晶ディスプレイのフレーム上部には、高感度撮影に強い"Exmor for PC" CMOSセンサーを採用した有効画素数131万画素のHD Webカメラを搭載している。

 キーボードの上部にはステレオスピーカーを内蔵。音量増強技術により内蔵スピーカーの音圧を強める「xLOUD」、音響特性の補正で自然な音声を再現する「Clear Phase」といった音響効果もサポートする。

前面にメモリースティックPRO デュオスロットとSDXC対応SDメモリーカードスロット、各種インジケータを備える(写真=左)。背面にはインタフェース類がなく、鏡面仕上げのディスプレイヒンジ部に「SONY」のロゴが刻まれている(写真=右)

左側面にUSB 3.0、HDMI出力、アナログRGB出力、有線LAN、ヘッドフォン出力、ACアダプタ接続用のDC入力、排気口を搭載する(写真=左)。右側面には2基のUSB 2.0、トレイ式の光学ドライブが並ぶ(写真=右)

USB 3.0ポートは、電源オフ/スリープ/休止状態での充電にも対応する。標準の設定では、この充電機能がオフになっているが、「VAIOの設定」から変更できる(画像=左)。液晶ディスプレイのフレーム上部には、"Exmor for PC" CMOSセンサーを採用した有効画素数131万画素のHD Webカメラが用意されている(写真=右)

Office Home and Business 2013を初採用、豊富なVAIO独自アプリも付属

 プリインストールOSは64ビット版のWindows 8だ。オフィススイートとして、今回から「Office Home and Business 2013」を導入している。Blu-ray Disc/DVD再生ソフトは「PowerDVD BD」、データ書き込みソフトは「Power2Go」と、いずれもCyberLink製だ。

 ソニー独自のアプリとしては、タッチ操作に配慮したWindowsストアアプリとして、写真や動画を管理する「アルバムアプリ」、音楽を管理する「ミュージックアプリ」、FacebookやTwitterの投稿、ニュースサイトの情報をまとめて表示できる「Socialife」、サポートツールの「VAIO Care」を用意する(VAIO Careはデスクトップ版も用意)。

 デスクトップUI(ユーザーインタフェース)用の独自アプリについては、写真や動画の管理・編集を行う「PlayMemories Home for VAIO」、シンプルなUIでショートムービーが手軽に作れる「VAIO Movie Creator」、ホームネットワーク上のテレビ録画ファイルなどを再生するDTCP-IP対応のDLNAプレーヤー「VAIO ホームネットワークビデオプレーヤー」などが付属する。「nasne」と組み合わせることで、ワイヤレスでのテレビ視聴・録画も可能だ。

写真や動画を管理する「アルバムアプリ」(画像=左)、FacebookやTwitterの投稿、ニュースサイトの情報をまとめて表示できる「Socialife」(画像=中央)などは、タッチ操作に配慮したWindowsストアアプリとして用意されている。ショートムービーを作成する「VAIO Movie Creator」はデスクトップアプリだが、こちらもタッチ操作に配慮したUIとなっている(画像=右)

直販モデルではSSDを搭載した構成にも対応

 なお、店頭販売向け標準仕様モデルの下位機「SVT15118CJS」では、CPU、メモリ、データストレージが異なる。CPUがCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、メモリが4Gバイト(4GバイトSO-DIMM×1枚)、ハイブリッドストレージのHDD容量が750Gバイト(キャッシュ用SSDは24Gバイト)だ。

 また、直販サイトのソニーストアで販売されるVAIOオーナーメードモデルでは、基本スペックのカスタマイズに対応する。CPUは店頭モデル採用のCore i3-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)とCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)にCore i3-3227U(1.9GHz)を加えた3種類から、メモリは2G/4G/6G/8Gバイトと4通りの構成から選択可能で、データストレージも320G/500G/750G/1Tバイトのハイブリッドストレージだけでなく、128G/256G/512GバイトのSSDを搭載できる。

 Windows 8 Proや1366×768ドットの15.5型ワイド液晶、DVDスーパーマルチドライブ、ATOK 2012、アドビシステムズの写真・動画編集ソフトなども選択可能だ。

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