15.5型ワイドと大画面の液晶ディスプレイは、1920×1080ドットの高解像度表示に対応している点も特徴だ。
15.5型ワイドでの1920×1080ドット表示は、画素密度でいえば約142ppiとなり、13.3型ワイドでの1600×900ドット(約138ppi)と同程度の細かさになる。標準的な13.3型ワイドでの1366×768ドット(約118ppi)などと比べて、ドットの粗さが目立たず、精細で品のある表示だ。
また、画面の表示領域は1366×768ドットの約1.98倍、1600×900ドットの1.44倍あり、PDFやワープロ文書などは見開きで、Webページならば2画面を無理なく判読できる大きさで同時に表示可能だ。
液晶パネルは広視野角のIPS方式ではないが、TNパネルとしては左右の視野角が広めで、輝度も十分にあり、見た目の印象は良好だ。上下の視野角は狭いものの、液晶ディスプレイのチルト角度は約127度まで開くので、角度を調整して使えば、実用上困らないだろう。表示の色味はやや青が強く見える。
液晶ディスプレイには、10点マルチタッチに対応した静電容量式のタッチセンサーを内蔵。指で画面に直接触れて操作でき、Windows 8の軽快なUIのエクスペリエンスをフルに楽しめる。タッチパネルの感度や指の滑り具合は標準的だ。液晶ディスプレイの表面は光沢仕上げで、映り込みはそれなりにある。
Windows 8はキーボードショートカットやタッチパッドを活用すれば、タッチパネルなしでも十分に使いやすく軽快に扱えるが、Windows 8の基本操作はやはりタッチに最適化されている。初めてWindows 8を使う方ならば、こういったクラムシェル型のノートPCでもタッチ操作ができたほうがなじみやすいだろう。
もちろん、すでにWindows 8搭載のハイブリッドPCやタブレットを持っていて、Windows 8でのタッチ操作が身についている方ならば、タッチ操作ができるアドバンテージは強く感じられるに違いない。
キーボードは、キートップのみを露出させたアイソレーションキーボードを搭載。テンキーを備えた6段配列を採用し、キーピッチは約19(横)×19(縦)ミリのフルピッチでゆとりがある。Enterキーと右のテンキーとの間隔は約5.5ミリと、そう広く空いているわけではないが、Enterキーが大きめで、カーソルキーもミスタイプしにくいよう一段下げて配列するなど、工夫が見られる。
キーストロークは約1.2ミリと浅いが、軽い力でタイプでき、スイッチの反発も適度で打ちやすい。剛性もしっかり確保されており、意識して強く押せば、キーボードが軽く沈む程度だ。キーボードにはバックライトも内蔵しており、点灯の仕方は「VAIOの設定」から指定できる。
キーボードの奥には3つのワンタッチボタンが用意されており、「ASSIST」ボタンでVAIO Care、「WEB」ボタンでInternet Explorer 10(Windowsストアアプリ版)、「VAIO」ボタンでVAIOの設定が起動する。
キーボードの手前には、左右のクリックボタンをタッチパッドに一体化した、いわゆるクリックパッドを装備。ソニーは、後述するマルチタッチ操作に対応することから「マルチジェスチャータッチパッド」と名付けている。キーボードにテンキーを搭載し、ホームポジションが左に寄っているため、パッドはかなり左寄りに配置されている。パッドのサイズは99(横)×56(縦)ミリと広く、マルチタッチ操作でも狭く感じることはない。
シナプティクス製のドライバが導入されており、2本指でなぞることによる上下/左右のスクロール、2本指の開閉による拡大/縮小、2本指をパッド上で回すことによる回転などのマルチタッチジェスチャー機能が標準で利用可能だ。チャームの表示などWindows 8固有の機能をジェスチャーで行うことはできないが、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを搭載するモデルなので、特に必要ないだろう。パッドの滑りやボタンの押し心地にも問題はない。
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