本機の7型ワイド液晶ディスプレイは、1280×800ドット表示に対応しており、広視野角のIPSパネルを採用する。解像度はNexus 7と同じで、画素密度は約215ppiだ。昨今の7型タブレットとしては標準的であるが、WebブラウズではPC向けのサイトを表示しても無理な縮小感がなく、YouTubeなどで動画を見るにも快適な解像度だ。
表示は、多数の蛍光灯があるオフィス内でも不満なく使える程度に明るいものの、ディスプレイの表面は光沢仕上げなので、自分の顔や照明がはっきりと映り込む。評価機は初期状態でクセのない発色だったが、ディスプレイの色合いをASUS独自の機能「ASUS Splendid」で調節することも可能だ。色温度や彩度などをユーザー自身で指定でき、自由に変更できる。タブレットではこうしたカラー調整機能を備えた製品が珍しいので、画質にこだわる向きは注目したい。
タッチパネルは静電容量方式で10点マルチタッチに対応する。タッチ操作に対する追従性は良好で、操作が思い通りにいかない感覚はほぼなかった。
本体の背面下部にはモノラルスピーカーを備える。音質は貧弱ではないものの、電源ボタンを上にして横持ちにすると、左手がスピーカーを覆ってしまい音がくぐもってしまうところは注意したい。
内蔵スピーカーやイヤフォンの音質をコンテンツに合わせて調節するアプリ「AudioWizard」も入っており、「音楽」「動画」「ゲーム」「記録中(録音中)」「スピーチ」「OFF(非適用)」から選択できる。
本製品はSIMフリー端末であり、日本通信(b-mobile)やドコモ、ソフトバンクのSIMを使い通話やSMSを利用でき、Wi-Fiテザリングも行える。確かに通話できるタブレットは珍しいが、LINEやSkypeでも通話ができてしまう現在では、通話機能の価値が昔ほどは高くはないかもしれない。
しかし、本機はスマートフォンと持ち歩くのではなく「これ1台ですべて済ませたい」という人に向けたユニークなデバイスだ。仮にスマートフォンを持っていたとしても、何らかの要因で(通信障害など)回線がつながらなくなったときの予備として使う方法もある。タブレットならば画面が大きく、ビデオ通話もスマートフォンより楽に行えるだろう。近接センサーを使い、通話中における耳や頬での誤操作を抑えた点、マイクを上部と下部に2個内蔵し、ノイズを低減した点も見逃せない。
それでも、スマートフォンのように片手で持って顔の近くで通話するのはあまり実用的ではないだろう。バッグから取り出して顔に近づける動作がスマートフォンより遅れがちになることに加えて、端末の幅が約12センチあり、重量は5型スマートフォンの2倍程度もあるため、長時間持って話すのは疲れてしまう。
通話機能を重視するならば、スピーカーを活用したり、Bluetoothヘッドセットを組み合わせることで、本体のサイズや重さを気にせず話ができるはずだ。
レビュー後編では、Atom Z2420の採用で気になるパフォーマンスやボディの発熱、バッテリー動作時間をテストしていく。
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