メカニズムは? サポートは? ホントにThinkPadなの?──「ThinkPad Helix」の気になるところを聞いてきた(後編)「ThinkPad Helix」開発チームインタビュー(3/3 ページ)

» 2013年07月05日 11時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

面積の大きな5ボタンクリックパッドで、トラックポイント未経験者でも戸惑うことなく使える

ITmedia 発表・発売後、ユーザーからはどんなフィードバックが寄せられましたか。

伊藤氏 すでにたくさんのポジティブなフィードバックをいただいています。例えば教育分野、タブレットで授業を行う米国などでは、学術記号の記入などで手書き入力できるタブレットの優位性が評価されています。米国ではとくに学校関係で使いたいとする意見が多いようですね。

ITmedia 海外の学校ではタブレットを取り入れた授業も盛んと聞いていますが、教育分野からのニーズとなると、タブレットだけでは難しいから──ということなのでしょうか。

伊藤氏 そうかもしれません。リポート作成などクリエイティブな作業にはキーボードが必要です。一方で、生物化学や数学など、キーボードでは表示しにくい記号類を用いる場合、それを速く記述するには手書き+タブレットが適しているということでしょう。

photo  

ITmedia 最後に、従来からのThinkPadユーザー、そしてThinkPad Helixで初めてThinkPadに触れようと考える人に向けてコメントをいただけますか。

伊藤氏 ThinkPadユーザーには……私を含めてですが「トラックポイントから離れられない」人は多いと思います。キーボードの心地よい打鍵感を第一条件にするこだわりユーザーも多いことでしょう。そうした「ThinkPadらしさ」はThinkPad Helixでもしっかり踏襲しています。

 新しいThinkPadユーザーには、デザインと機能性を注目してほしいです。薄型傾向のPCが流行してきますが、Helixも同様に薄さを追求し、コンマ1ミリにまでこだわって設計しました。そして5ボタンクリックパッドは面積をかなり大きくとっていますので、これまでのノートPCでタッチパッドを主に使っていた方にも、Windows 8のジェスチャー操作を含めてより快適にお使いいただけると思います。

 また、ThinkPad Helixはタブレットにもなりますが、やはりUltrabookです。Ultrabookとしてのパフォーマンスをタブレットスタイルでも使えるということが業務において大きなポイントになります。私もThinkPad Helixのタブレットだけを携帯して電車通勤していますが、メールを読む、Webサイトを見るといった一般的なタブレットとしての使い方だけでなく、社内データベースに接続して必要なファイルを取得し、数値を集計、編集・追記して引き渡すといった普段の業務もサラリこなせるのは、Coreプロセッサー搭載Ultrabookとしてのパフォーマンスがあるからこそです。ちなみにThinkPad Helixは、Core i7、SSD、メモリ、Windows 8 Proを含め、ThinkPad X1 Carbonと同等クラスの仕様にカスタマイズできますし、ディスプレイはそもそも1920×1080ドット表示に対応しています。特に業務PCにパフォーマンスを求める方には最適だと思います。

最新技術を取り入れつつ「ThinkPadらしさ」を継承しなければ、ThinkPadではない

photo  

 ThinkPad Helixにおいて、これまでThinkPadを使い続けてきた筆者が最初に感じた不安材料。それはバッテリー内蔵型としている点、これまでのThinkPadのように簡単に部品交換ができない点だった。バッテリーやSSDには寿命があり、このほか、これまでのThinkPadでも定期的に交換していたパーツとして冷却ファンがある。コンセプトやスタイル、スペックとは別に、「業務マシンとして運用していく」ための安心感が得られるのもこれまでThinkPadシリーズを選び続けた理由の1つだ。

 こうした消耗品に支障が出た際、ThinkPad Helixはレノボ・ジャパンのサポート/引き取り修理対応でカバーでき、製品保証項目を確認すると、ThinkPad Helixはタブレットとキーボード、それぞれ1回のバッテリー交換サービスが受けられることを今回は確認できた。

 どこかを追求すればどこかが犠牲になるかもしれない。そうした制約のなかで、Windows 8とタッチ/手書き機能、そして着脱・変形ギミックやConfigured TDPといった最新技術を取り入れ、快適なタイピング感やトラックポイントによる操作性、堅牢性の「ThinkPadらしさ」も継承する──それがThinkPadである。ThinkPad Helixの開発意図からもそんな“ThinkPadらしさ”はしっかりと感じられた。

 改めて思う。「ThinkPad Helixも、当然ThinkPadシリーズである。これなら安心だ。任せられる」と。






前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  2. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  3. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  4. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  5. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  6. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  7. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
  8. LGが4K有機EL TVの2026年モデルを発表 映像プロセッサを刷新し120Hz以上の高速表示にも対応 (2026年06月09日)
  9. カプセルトイ「手のひらネットワーク機器」第5弾のラインアップを決める“ユーザー選挙”投票受付を開始 (2026年06月10日)
  10. サンワ、ノートPCやタブレット背面を冷やせるペルチェ冷却クーラー (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー