レースの現場は想像以上に過酷だ。荒天時のドライバーはもちろん、屋根のあるピット内であってもほこりやタイヤのカス、カーボンの粉などが舞う環境で作業を強いられる。これまで雨天も想定されるグリッド上での作業はPCをビニール袋に入れて保護していたが、ThinkPadシリーズに変えてからまったく気にせずによくなった。「レノボさんが“大丈夫”と言ってくれたので、ちょっとの雨でもそのまま持ち運んでガシガシ使ってますがこれまでトラブルはないですね。この堅牢性/信頼性の高さはかなりの作業効率の向上につながっているなと実感できますよ」(高久氏)。
ドライバーの松田選手はタブレットスタイルとPCスタイルを使い分けられる「ThinkPad Helix」を使用する。「テレメトリデータやオリベイラ選手と比較したデータなど、マシンに乗ったままコクピットで見ます。(テレビ中継などで使用するオンボード映像用の)公式カメラ以外にチームで付けているカメラもマシンに付いています。レースが終わったあと取り込んで、走りを検討したりもします」(松田選手)。
ちなみにフォーミュラトップカテゴリのF1では無線通信でデータを飛ばし、リアルタイムで走行データを把握できる仕組みになっているが、スーパーフォーミュラはここまでのシステムはレギュレーションとして禁止されている。ピットインしたときにデータをダウンロードするのはこのためだが、ともあれ短いピットイン時間に大量のデータを高速に処理できるITシステムがなければ戦闘力の低下につながることは同様だ。

マシンに実装するオンボードカメラで撮影した映像をその場でチェック(写真=左) ノートPCと比べ、タブレットであれば狭いコクピットでも扱いやすい(写真はThinkPad Tablet 2を使用)。走行後はこれらのデータを即座に参照し、自身でも検討しているという(写真=右)処理の速さや携帯性は当然、ThinkPadシリーズは「とにかく堅牢で、信頼できる」(高久氏)ことを特に評価している。最新のPCはバッテリーの持ちがとてもよくなったことにも便利さを感じているそうだ。
最速を目指すレースの現場では、“ていねいに扱わなければならない”と余計なことを考えるのは目的達成までのロスにつながる。これはビジネスの現場にも通じることといえよう。
ThinkPadシリーズの“信頼性”を得たTEAM IMPUL。今後の活躍に期待したい。


スーパーフォーミュラマシン「IMPUL SF-13」とTEAM IMPULのモーターホーム(写真=左、中央) (おまけ)TEAM IMPULのSUPER GTマシン「CALSONIC IMPUL GT-R」(写真=右)
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