前回まで、ThinkPad X1 Carbonの6段プレシジョンキーボードのよい点を挙げてきたが、もちろん気に入らない部分もある。
それはカーソルキーの左右にあるPgUp/PgDnキーだ。これはPageUp、PageDownの機能がどうというより、カーソルキー/↑キーのすぐ左右にあることが気に入らない。ThinkPad X1 Carbonの6段プレシジョンキーボードに限らず、7段配列キーボードの時代もWebブラウザの戻る/進むキーが配置されており、私の記憶では2000年くらいからだと思うが……いまだに継続されているので便利と思う人は多いのかもしれない。でも私はどうにもダメである。
ThinkPadのキーボードは、カーソルキーを他のキーより半段下げて配置してある。これはもちろん、カーソルキー操作時のミスタイプを防ぐための施策であり、他メーカー製PCのキーボードにも見られる工夫だ。しかし、半段下げたことで空いた部分に別のキーを詰めてしまっては、せっかくの効果も半減しがち。実にナンセンスだと感じている。しかもPgUp/PgDnキーは、ミスタイプした時の挙動がこれまでの「戻る」「進む」より心理的なダメージがあるのでなおさらだ。とはいえ、PgUp/PgDnキーの配置のみで「このキーボードはダメだ」と諦めるのもまたナンセンス。対処は簡単にできる。
筆者にとってPgUp/PgDnキーは「別にあってもいいが、邪魔はするな」という感覚のキーである。というわけで、それが気に入らなければキーの割り当てを変更すればよい。「PgUp/PgDnキーを無効」にしてしまうカスタマイズを行おう。
キーの割り当てを変更するにはレジストリのスキャンコードマップを変更する方法があるが、これは一般ユーザーには難易度が高いので、オンラインソフト/フリーソフトウェアとして公開されているキーリマップソフトを使うのがよいだろう。今回はblechmusik氏が開発した「DvorakJ」を使う。使い方はシンプル。UI画面で割り当てを変更したいキーを選び、代わりにどのキーの機能を割り当てるか(あるいは何も割り当てず、無効にするか)を選択すればよい。
DvorakJでのキーリマップはこのソフトが起動(常駐)している間だけ有効となるので、自身で制御しやすいのもいい。ソフトをスタートアップに登録しておけばWindows起動とともに常駐されるので手間はかからないし、あわせて「起動時に最小化する」「最小化時に設定画面をタスクトレイに格納する」をチェックしておけば、常駐していることを意識することなく利用できる。そして、インストール作業が必要ないプログラムなので、USBメモリなどに入れて携帯すればセカンドPCや借り物のPCなどでも手間なく共用できるのがメリットだ。
もう1つは、レジストリの変更を代行してくれるキーリマップソフト「KeySwap for XP」(愛とゆり氏作)。こちらは常駐を好ましく思わないユーザー向けとなる。同じく使い方はシンプル。UI画面の入力欄より物理キーをどのキー/機能に割り当てるかを選択するだけ。設定後再起動すると有効になる。「設定を全て削除」ボタンで元の状態へ簡単に戻せるのも安心感があっていい。
どちらのソフトも、ThinkPad X1 Carbon(64ビット版Windows 7 Professional SP1)およびThinkPad Helix(64ビット版Windows 8)の両方で問題なく動作した。筆者と同様、ThinkPadキーボードのPgUp/PgDnキーがどうにかならないかなと感じている方、あるいはそれ以外でもあのキーをこの機能に割り当てると楽そうだと思いついた方は、1つ試してみていただきたい。
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