今回の発表会で最大のトピックとなったのは、PCとゲームコンソールで共通のゲームエンジンを実現する開発プラットフォーム「Mantle」(マントル)だ。
Koduri氏は「MantleはGCNアーキテクチャを採用するGPUやAPU、ゲームコンソールが、GPUのフル機能を引き出せるネイティブ言語環境で、GPUへの最適化が図れるため、GCNアーキテクチャのGPU性能を最大限引き出せる」と説明する。
「BATTLEFIELD 4」でも採用されるDICEのゲームエンジン「FROSTBITE 3」の開発を担当するJohan Andersson氏は、同ゲームエンジンのMantle対応を進めており、12月にはBATTLEFIELD 4のMantle対応パッチをリリースする予定であることを明らかにした。

Mantleでは、GCN世代のGPUに直接アクセスできるようにすることで、よりすぐれた性能や新機能を実装しやすくなる(画面=左)。Mantle APIをサポートすることで、DirectXに比べて 9倍のDraw Callを処理できるようになり、CPUの負荷を低減することもできるという(画面=右)このMantleでは、DirectXやOpenGLなどよりも、よりGPUに近いローレベルのプログラミングインタフェースで、まず、PC向けにAMDがMantle APIとMantleドライバを提供する。ゲームデベロッパは、Mantleに対応したゲームエンジンを利用することで、PCのみならず、GCNアーキテクチャを搭載したGPUを採用するソニーのPlayStation 4や、MicrosoftのXbox Oneにゲームタイトルを移植することが容易になるだけでなく、GPUに直接アクセスできるようになるため、パフォーマンスを向上させたり、描画品質を高めることが可能になる。
Kudori氏は「ゲームタイトルがMantleをサポートすることで、DirectXに比べて9倍のDraw Callを処理できるようになり、CPUの負荷を軽減できるだけでなく、グラフィックス処理の高速化も実現する」とアピール。また、DirectXやOpenGLがサポートしていない最先端のレンダリング技術なども実装しやすくなるため、描画品質や機能面でも進化させることができるとする。
なお、Mantleの詳細については、11月11日に米カリフォルニア州サンノゼ市で開催される同社の開発者向け会議「APU14」で明らかにすることが予告された。

Battle Field 4のゲームエンジンにも採用されているFrostbite 3が、Mantle対応のゲームエンジン第1号となる(画面=左)。12月には、BattleField 4のMantle対応アップデートも発表予定だ(画面=右)
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