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「VAIO Tap 11」の直販ハイエンド構成と店頭モデルを徹底比較するVAIO Tap 11をもっと知りたい(性能検証編)(3/3 ページ)

» 2013年11月21日 12時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリー駆動時間は店頭モデルとVOMモデルではほとんど変わらず

VAIO Tap 11 BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間

 BBench 1.01を用いて、Webブラウザを想定したバッテリー駆動時間も調べてみた。電源プランは「バランス」、液晶ディスプレイの輝度は40%(自動調光はオフ)、「VAIOの設定」における「CPUとファン」のモードは「標準」にセットし、満充電の状態からバッテリー残量5%で休止状態へ移行するまでの時間を計測している。

 テスト結果は店頭モデルで5時間50分、VOMモデルで5時間45分と、あまり変わらなかった。タブレットとしてはやや短いが、11.6型と大きめで高画質の液晶ディスプレイや第4世代Core Yシリーズを搭載し、9.9ミリ厚、約780グラムという薄型軽量ボディも兼ね備えていることを考慮すれば、納得できるのではないだろうか。

 動作音やボディの発熱も、店頭モデルとVOMモデルでほとんど変わらない。性能があまり変わらないのだから当然といえる。低負荷でも耳を近づけるとファンが回っていることは分かるのだが、音自体は静かで、高負荷時もそれほど大きくはならない。

 ボディの発熱については、排気口付近を中心に熱を帯びる。動画再生くらいであれば気にならないが、ベンチマークテストなどで高い負荷をかけると「SONY」ロゴの周囲とその裏面はそれなりに高温になる。ただし、実際の利用シーンではこの位置を手で持つことはほとんどなく、影響は少ないだろう。

VAIO Tap 11VAIO Tap 11 動作音テストの結果(グラフ=左)。発熱テストの結果(グラフ=右)。騒音テストは騒音計で実測(本体から手前5センチで計測、暗騒音32デシベル、室温23度)。発熱テストは放射温度計でボディ表面温度を実測(室温23度)

即戦力になる高い完成度のWindows 8タブレット

VAIO Tap 11

 速報レビューに続き、使い勝手編、性能検証編(本稿)と3回に渡ってVAIO Tap 11を検証してきた。

 ソニーは「VAIO Duo 11」や「VAIO Duo 13」といった2 in 1デバイスの実績、そして「Sony Tablet」や「Xperia Tablet」といったタブレットデバイスの実績が豊富にあるだけに、そのノウハウが存分に生かされていると感じる。キーボード、筆圧対応ペン、ソフトウェアを含めて完成度が高く、即戦力として活躍できる仕上がりだ。

 パフォーマンスについては意外に伸びないと書いたが、それは「CPUスペックの割に」「Ultrabookで標準のCore i5-4200Uと比較して」という前提付きでの話だ。VAIO Tap 11が64ビット版Windows 8をフル活用できるタブレットとして高性能であることは確かなので安心していただきたい。

 ただし今回テストした限りでは、電力管理の関係上、VOMモデルでCore i7-4610Yを選ぶ性能面でのメリットはあまりないといえる。比較的CPU負荷の軽い処理では速さの違いも多少出るのだが、CINEBENCHなどのようにCPU負荷が高い処理になると店頭モデルのCore i5-4210Yとほとんど変わらない。もっとも、ハードウェアのピーク性能はもっと上にあるはずなので、今後のUEFI/ソフトウェアアップデートなどで電力管理の基準が変更されれば、大幅に性能がアップする可能性は残されている。

VAIO Tap 11

 さて、ソニーストアが販売するVOMモデルの最小構成は10万9800円だ。ワイヤレスキーボードと筆圧対応ペンが付属してこの価格となっている。VAIO Tap 11をできるだけ安く実用的な構成で入手したい場合、筆者としてはCPUをCore i3-4020Y(1.5GHz)に、メモリを4Gバイトにした12万7800円の構成をおすすめしたい。

 最小構成はPentium 3560Y(1.20GHz)だが、Pentiumは内蔵グラフィックスの機能(GPUアクセラレーション等)がかなり省かれており、性能、消費電力とも運用レベルで差を感じる。1万3000円の差額があっても、Core i3のほうが断然おすすめだ。

 現状ではTurbo Boost 2.0があまり効かないことからハイエンドCPUを選んでもその実力を発揮できる場面は限られるが、現在(2013年11月28日9時15分まで)4000円オフのキャンペーン中でCore i3-4020YとCore i5-4210Yの差額が6000円しかないので、Core i5-4210Yも含めて検討したいところだ。とことんハイスペック志向の方は、差額が2万6000円になるが、あえてCore i7-4610Yの構成で購入して差異化を図るのもアリだろう。

 このように、ソニーストアでは構成をカスタマイズしてリアルタイムに見積もりができるので、VAIO Tap 11が気になった方は試してみていただきたい。

←・【前回記事】VAIO Tap 11をもっと知りたい(使い勝手編):「VAIO Tap 11」のペン入力、画質、音質をじっくりチェックする

→ソニーストアで「VAIO Tap 11」をチェックする
わずか9.9mm(※タブレットモード時)、薄さ・軽さを極めた先進のモビリティー。Core i7 プロセッサー、大容量SSDなど高性能スペック選択可能。ホワイトはストア限定カラー


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