2013年の自作パーツを振り返る今年はどんなPCを組んだ?(3/3 ページ)

» 2013年12月28日 20時43分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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SSDでは淘汰が進み、簡易水冷は群雄割拠、電源は各社が付加価値を模索中

1Gバイト/秒の転送速度を超えるPCIe M.2(NGFF)接続のSSDも登場した

 その他のパーツで、2013年、大きく動いたのはSSDではないだろうか。SSDがコンシューマー市場に登場してしばらくは、新興メーカーや、ゲーミングブランド的メーカーなど、さまざまなメーカーがこの市場に参入していた。

 ところが、ふと気づくと、あるメーカーではプロダクトラインアップからSSDが消え、あるメーカーは他社に買収されてブランドを失ったといった具合で、絞りこまれてきた印象を受ける。それは、COMPUTEXで広い会場を回った際にも抱いた感想だ。コントローラチップを含め、メーカーの淘汰、買収が進んだこともあるし、SSD事業自体の収益性という問題もあるだろう。そして年末12月初頭に飛び込んできたニュースが、東芝によるOCZ TechnologyのSSD事業の買収だ。

 すでにSSDは、モバイルだけでなくデスクトップPCでも一般的になってきている。一方で、容量単価の下落が落ついた印象もある。128Gバイトが1万円前後、256Gバイトが2万円台半ば、512Gバイトが3万円台後半といった具合だ。

 フラッシュメモリ側でも容量を増やす技術的な進歩が求められ、あるいはNANDフラッシュメモリ自体が、製造上の容量拡大の限界に近づいているという話もある。かといって次世代メモリ規格がすぐに登場するわけでもないので、しばらくは128Gバイト/256Gバイト/512Gバイトで落ち着き、1Tバイトクラスが出るにしてもまだプレミア製品という位置づけになるのではないだろうか。多くの自作PCユーザーの場合、システムドライブには128Gバイトまたは256Gバイト、データドライブにはHDDという組み合わせがベストと感じているだろう。

BTOメーカーのサイコムは、簡易水冷クーラーに大型ラジエータを組み合わせたマシンを数多くラインアップしている

 クーラーの分野では、簡易水冷キットを扱うメーカーが一気に増えてきた。SSDで数年前に起こったブームと同様、今は簡易水冷という流れなのだろうか。多くはAsetekのメカニズムを採用しているが、デザインに工夫をこらしたり、あるいはヘッド内部に熱輸送のための工夫を凝らしている。また、自作PCだけでなく、ショップブランドPC、あるいはPCメーカーにも、簡易水冷キットを採用する例が多くなってきているとも感じている。

 ラジエータサイズで言えば、12×12センチがメインであるのは変わらないが、12×24センチ、14×14センチ、14×28センチと、面積のラインアップは増え、それを収めるケース側でも、こうした大型ラジエーターへの対応がトレンドとなりつつある。コンパクトでも大型ラジエーターに対応するというゲーミングPCケースも登場し、これまで大きいことが是とされてきたゲーミングPCが、もしかするとこれからはコンパクトという流れになる可能性だってあるだろう。

北欧スウェーデンの企業、Fractal Designの80PLUS PLATINUM 1000ワット電源「Newton R3 Smart Modular 1000W White」。日本ではアスクが取り扱っている

 電源ユニットもちょうど面白くなってきたところだ。80PLUS Platinum製品が出そろい、効率面での競争はある意味で一段落ついた印象がある。また、現在の製品ラインアップをじっくり見てみると、80PLUS Platinumがフラッグシップに、80PLUS Goldが主力に、80PLUS Silver製品はほとんど姿を消し、エントリー向けに80PLUS Bronzeといった状況になっている。

 80PLUS Silverが数を減らしているのは、ちょうど中間という微妙なポジションであるためと言われる。効率で選ぶなら80PLUS Gold、安さなら80PLUS Bronzeへと分かれてしまうからだ。また、効率面では限界まで引き上げられてきた状況下、付加価値として電圧や冷却ファンなどのステータス監視機能を盛り込んだり、あるいは高効率をより小型なSFXサイズに収めるといった各社の模索が面白い。特にSFX電源に関しては、数年前なら「作ったところで数が出ない」と言われていものたが、日本だけでなく世界的規模で広まったMini ITXベースの小型デスクトップ人気も後押ししてか、今年は定期的に新製品が登場していたのが印象的だった。

2014年のあなたのPCはどんな形で、どのくらいの性能で、何ができる?

 2013年はCPU、GPUともにインパクトが薄かったと書いたが、CPUは2014年にチャレンジを控えており、GPUもハイエンドはもちろん、ミドルレンジもお買い得度は十分に増した。

 まして、現在、CPUはすでに普段使いであれば十分なパフォーマンスを得ており、GPUもアッパーミドルクラスのGPUなら、ほとんどのゲームをフルHDで、かなり高画質で楽しめるという状況ができあがっている。

 例年と比べてみても、かなりお買い得度の高いタイミングではないかと個人的には感じた。もっとも、コスト視点では、円安傾向により個別のパーツは確かに値上がりしている。とはいえ、今が適正価格と言うべきだろう。異常な円高と爆安メモリという数年前の状況の方が特殊だったのだ。

 また、CPUやGPUで満足してしまったとしても、自作PCはそれだけではない。機能的なケースやリムーバブルキットなどによる利便性の追求、冷却パーツやケーブルマネジメント機能付きケースによる静音性の追求、逆にCPUやGPUのパフォーマンスを多少落としてでも低消費電力を追求するというスタイルもある。また、かつてMini ITXがそうだったように、NUCのような小さなフォームファクターが、新しいデスクトップPCのスタイルを築く可能性もある。

 PCを自作するというのは“妄想”すること、手に入るパーツから自分なりの形を作っていくことだ。2014年のあなたのPCは、もしかしたら今使っているPCとはまったく異なる形かもしれない。そう考えると、楽しみでワクワクしてこないだろうか。

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