ここからはパフォーマンス、バッテリー駆動時間、騒音や発熱をチェックしていこう。評価機の主なスペックは、Core i5-4300Y(1.6GHz/最大2.3GHz)、Intel HD Graphics 4200、4Gバイトメモリ(PC3L-12800/デュアルチャンネル)、128GバイトSSD、64ビット版Windows 8.1(英語版)という内容だ。
今回の評価機はOSが英語版で性能の最適化ができていない状態だったため、ディスク性能を計測するCrystalDiskMarkのテスト結果のみ掲載する。SanDiskの「SD6SP1M128G1012」という型番のSerial ATA SSD(M.2)が搭載されていたが、こちらの性能は良好で、128Gバイトクラスとしては書き込み性能も高い。Atom搭載タブレットが採用するeMMCのストレージとは段違いの性能だ。それ以外のテスト結果は安定しなかったため、国内販売モデルを入手次第、改めて実施したい。
Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)の結果は、満充電から残り5%で休止状態に移行するまで8時間8分動作した。公称値の10時間には届かず、評価機が上記のような状態だったが、タブレットとしては大きめの画面とパワフルなCPUを搭載し、この結果は優秀といえる。
動作音については、低負荷時はほとんど無音だ。ベンチマークテストなどで負荷をかけると少しはファンの回転音が聞こえるが、全体的にかなり抑えめだ。回っている時間も必要最小限という印象で、瞬間的に回ってすぐ止まるような挙動も見られた。ボディの発熱は、背面の右上から中央辺りが中心だ。普通に手で持つ場合にその部分に触れることはまずないと思われる。こうした点も、国内販売モデルで改めて検証したい。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
気になる価格だが、Core i5-4210Y搭載モデルは8万9980円(税込)、Core i3-4020Y搭載モデルは7万9980円(税込)と、手頃な価格から用意されている。現在は販売調整の関係でCore i搭載モデルの発売を一時停止しているが、2014年2月7日には購入ページが再開される予定だ。
画面サイズや細かいスペックが異なるために単純な比較はできないが、第4世代Core i5を搭載した構成のVenue 11 Proは、Surface Pro 2やVAIO Tap 11が競合となるだろう。ペン入力やキーボード入力を考慮した仕様、フルサイズのUSB 3.0ポートを備える点なども共通している。
この3機種を比較すると、Surface Pro 2はパフォーマンス、VAIO Tap 11は薄さと軽さで優位に立ち、このVenue 11 Proは、バッテリーの着脱が可能(SSDや無線LANモジュールもアクセスが容易)、Atomも含めてCPU選択の幅が広いこと、そして低価格設定といったアドバンテージがある。
Venue 11 Proはパフォーマンス志向で求めやすい価格を実現したWindows 8.1タブレットとして、魅力的な選択肢といえる。
・→【次回記事】注目タブレット速攻レビュー:「Venue 11 Pro」――Core i5搭載でSurface Pro 2より安いWindowsタブレットを試す(ベンチマークテスト編)
Venue 11 Proの主な仕様 ※今回試用したのは米国版の試作機 | |
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製品名 | Venue 11 Pro |
メーカー | デル |
OS | 64ビット版Windows 8.1 |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 176.8×297.7×15.4ミリ |
重量(実測値) | 約835.5グラム(834グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 10.6型ワイド(IPS) |
アスペクト比 | 16:9 |
タッチパネル | 静電容量式(10点マルチタッチ) |
デジタイザ | 筆圧対応スタイラス(+2980円) |
ディスプレイ解像度 | 1920×1080ドット(約208ppi) |
CPU(コア数/スレッド数) | Core i5-4300Y(2/4) |
動作周波数 | 1.6GHz/最大2.3GHz |
チップセット | CPU内蔵 |
vPro | 対応 |
GPU | CPU統合(HD Graphics 4200) |
メモリ | 4Gバイト(DDR3 1600MHz/デュアルチャンネル) |
メモリスロット(空きスロット数) | オンボード |
ストレージ(評価機実装) | 128GバイトSSD(SanDisk「SD6SP1M128G1012」) |
ストレージフォームファクタ | M.2 |
ストレージ接続インタフェース | Serial ATA 6Gbps |
光学ドライブ | − |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(Intel DualBand Wireless-N 7260) |
Bluetooth | Bluetooth 4.0+HS |
NFC | 搭載 |
センサー | 加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度、GPS(3G通信選択時に追加) |
有線LAN | − |
ワイヤレスWAN | 3G/HSPA+(オプション) |
キーボード | −(オプション) |
キートップ仕様・形状 | − |
キーピッチ | − |
キーストローク | − |
キーボードバックライト | − |
ポインティングデバイス | − |
主なインタフェース | USB 3.0×1、Micro USB(充電専用)×1、Mini HDMI出力×1、ヘッドフォン/マイクコンボ(3.5ミリ)、Webカメラ(イン200万画素/アウト800万画素) |
メモリカードスロット | SDXC対応microSDメモリーカードスロット |
SIMカードスロット | 3G/HSPA+対応Micro SIMスロット(+7854円) |
その他カードスロット | − |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ(Waves Maxx Audio 3) |
マイク | デュアル |
指紋センサー | − |
セキュリティデバイス | − |
セキュリティロックポート | Noble Seculity |
バッテリー動作時間 | 約10時間 |
バッテリー仕様 | 36ワットアワー |
ACアダプタ実測サイズ(幅×奥行き×高さ) ※プラグ含まず | 55×79×28ミリ |
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 89グラム/114グラム |
ACアダプタ出力仕様 | 19.5ボルト/1.2アンペア、5ボルト/2アンペア(USB) |
ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
DC端子形状 | 丸形 |
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | 3ピン(ウォールマウントプラグ付属) |
防水/防滴 | − |
カラーバリエーション | シルバー |
オフィススイート | −、Office Personal 2013、Office Home and Business 2013選択可 |
価格 | Atom Z3770搭載:5万9980円〜、Core i3-4020Y搭載:7万9980円〜、Core i5-4210Y搭載:8万9980円〜、Core i5-4300Y搭載:13万4980円〜 |
発売日 | 2013年11月19日 |
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