もちろん、Apple WatchがSeries 3とwatchOS 4の組み合わせで究極の製品になったとは言わない。しかし、iPhoneというOS、端末、デバイス全てをコントロールし、デベロッパーコミュニティーとの関係も密に構築しているAppleならではのやり方とも言える。
もちろん「プラットフォーム」として成長する余地は与えられており、Apple Watch以外の活動量計やヘルスケアデバイスも、iOS 11の情報ソースになるよう設計されている。導入された当初は、あまり使いものになりそうになかったヘルスケアアプリだが、Apple Watchの機能強化とiOS自身の強化で改善してきており、今後ヘルスケア系デバイスとアプリケーションが発展する新たな基盤になるかもしれない。
日本では開始がアナウンスされないが、Apple TVも(ネットを通じた)テレビ配信やスポーツ中継サービスなどが4K/HDRに対応したApple TV 4Kで始まろうとしている。こちらもiPhone、iPad、Mac(iTunes)との連動が極めて密に取られている。
さて、Appleは保守的すぎるのだろうか。
確かに日本のガラケーや一時流行したNetbookを一気に過去のものとした、1つの製品で現在を過去に追いやっていた時代と異なることは確かだ。しかしiPhoneを、今後のイノベーションを起こすための基盤として考えるならば、それも1つの道だろうと考える。
iPhone Xという選択肢も示したうえでの製品ラインアップを見渡したとき、筆者はiPhone 8が保守的すぎるとは思わない。確かに「iPhoneの世界」を踏み外して前に進む製品ではなく、その意味では陳腐化の始まりとみる人もいるだろう。しかし、筆者の目には新たに前進していく方向が明確になった結果、2017年の製品が生まれたのではないか。そのように見えた。
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