「安心感」と「先進性」が同居 iPhone 8/8 Plusは過去10年の集大成だ(1/3 ページ)

» 2017年09月19日 20時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」が、9月22日に発売される。2機種はこれまでのiPhoneからデザインを変え、背面にガラスを採用。Appleが独自に開発したプロセッサ「A11 Bionic」を搭載し、パフォーマンスも歴代最高を誇る。カメラも、センサーを刷新。iPhone 8 Plusには、デュアルカメラを生かした「ポートレートライティング」も新たに搭載されている。この2機種の実機を、一足早く試すことができた。その実力を、ここでレビューしていきたい。

iPhone 8/8 Plus 9月22日に発売される「iPhone 8」(左)と「iPhone 8 Plus」(右)

ガラスを採用して雰囲気を一新、ワイヤレス充電も可能に

 デザインという点で、従来のiPhoneとの大きく違うのは、背面にガラスを採用したこと。ガラス素材を背面全体に使用したのは、iPhone 4s以来のこと。形状はiPhone 6から続く、丸みを帯びたおなじみのスタイルだが、背面の素材が一新されたことで、視覚的にはもちろん、触り心地も変わった。第一印象は、金属を採用していた従来のiPhoneよりも繊細になったイメージを受ける。

iPhone 8/8 Plus 丸みを帯びたボディーは踏襲しながらも、背面にはガラスを採用している。後ろから見た雰囲気は一新された

 この素材に合わせ、カラーバリエーションも3色に変更された。特に、レビューで使用したシルバーは、背面がホワイトとガラスの硬質感や透明感が伝わりやすい。ゴールドも、従来のはっきりとした色ではなく、淡い色使いになった。これまでのゴールドよりも中性的かつ上品なイメージで、日常生活の中に、自然に溶け込むような印象だ。iPhone 7では、ジェットブラックやブラックが注目を集めたが、ガラスを採用したことでこの傾向に変化が出るかもしれない。

iPhone 8/8 Plus 本体正面
iPhone 8/8 Plus 上部
iPhone 8/8 Plus 底面にLightningコネクターとスピーカーがある
iPhone 8/8 Plus 左側面にはマナースイッチとボリュームキーがある
iPhone 8/8 Plus 右側面には電源キーとSIMスロットがある

 実利的な面では、ガラスになったことで、より手にフィットするようになったことも強調しておきたい。特にiPhone 8 Plusではその違いが顕著だ。金属だと、乾いた手で持ったときにツルっと滑ってしまい、片手で操作しているときに落としてしまう恐れがあったが、iPhone 8/8 Plusは安定してホールドできる。特に横幅の広いiPhone 8 Plusでは、その違いが大きい。デザインやガラスの持ち心地を生かす意味では、背面を隠してしまうケースよりも、バンパーのように、背面を生かしたケースを付けたいと感じさせる。

 ガラス素材によって、ワイヤレス充電への対応が可能になったことは、機能面での大きな進化だ。ワイヤレス充電は業界標準の「Qi」に対応。残念ながら、Qiに対応したスマートフォンは徐々に減ってしまっているが、すでにサードパーティーの充電パッドが世に出ている点は大きなアドバンテージだ。今回、レビュー用にbelkinの「Boost Up Wireless Charging Pad」を借りていたが、これに加え、筆者が所有しているサムスン電子製のワイヤレスチャージャーに置いても、問題なく充電できた。

iPhone 8/8 Plus 背面にガラスを用いることで、ワイヤレス充電に対応できた。置くだけで充電できる気軽さは、圧倒的だ

 Apple自身もWPC(ワイヤレスパワーコンソーシアム)に加盟しているため、当然といえば当然なのだが、独自規格ではなく、業界標準規格を採用してきた点は高く評価できる。ユーザーにとっては、手持ちの周辺機器をそのまま生かせるのが大きなメリットといえるだろう。

 充電ならLightningケーブルを挿すだけで、そこまで大きな違いはないのではと思われるかもしれないが、日々行うことだけに、わずかな違いでも積み重なると大きな差になる。快適さという点では、ケーブルを抜き差しするよりも、圧倒的に楽だ。充電しながら使うというシーンには向かないが、仕事中、デスクの横に置いておいたり、寝る前にワイヤレスチャージャーの上に置いておいたりするだけでいいのは、やはり便利。ワイヤレスチャージャーは、iPhone 8/8 Plusと同時に購入しておいた方がいいだろう。

 ただし、充電速度については、少々遅い点が気になった。Belkinが販売するQi対応チャージャーのページには、「高速ワイヤレス充電は、年内に無料で提供されるソフトウェアアップデートによって利用できるようになります」と注釈がついているため、現状では、最大電力の7.5Wでの高速充電ができていないとみていいだろう。ソフトウェアアップデートは、おそらくiPhone側のことを指していると思われるが、利便性の向上につながるため、早期の対応を期待したい。

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