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» 2017年09月19日 20時00分 公開

「安心感」と「先進性」が同居 iPhone 8/8 Plusは過去10年の集大成だ (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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スペックで表せる数値以上に実力が向上したカメラ機能

 F値や画素数など、数値だけを見ると進化がないように思えるカメラだが、実はセンサーやカラーフィルターに加え、プロセッサに搭載されるISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)も最新のものになっている。これによって映し出されるカメラはどう変わったか。限られた時間ではあったが、カメラも試してみたので、その実力を見ていきたい。

iPhone 8/8 Plus iPhone 8はシングル、iPhone 8 Plusはデュアルカメラを搭載

 最初に写真を見て気付くのが、色の表現力が増していること。下の料理写真では、その実力が顕著に出た。タマゴの黄色さや、パセリの緑色がしっかり描写できていて、とても瑞々しく見える。ありていにいうと「おいしそう」だ。iPhone 8/8 Plusではディスプレイの性能も上がっているため、その違いのせいかと思いきや、PCで見てもiPhone 7との違いははっきり出ていた。一言でいうなら「メシウマ」カメラに仕上がっている。

iPhone 8/8 PlusiPhone 8/8 Plus 左がiPhone 8 Plus、右がiPhone 7で撮影したもの。iPhone 8 Plusで撮った写真の方が、黄色や緑がはっきり出ていて、瑞々しく見える

 風景写真でも、色の鮮明さがよく出ている。IPSを刷新したことで、ノイズも少なくなっているというが、これもうたい文句通り。数値で表現してしまうと同じように思えてしまうが、ここまで仕上がりがよくなると、もはや「別物」といえる。特に難しい設定をする必要なく、シャッターを押すだけでこの写真が撮れるのは、さすがiPhoneといったところ。スペックを見たとき、正直、ここまで違いがあるとはまったく思っていなかったので、いい意味で期待を裏切られたと感じた。

iPhone 8/8 Plus 風景写真も、青空や看板の発色がよく、全体的に明るい写真に見える
iPhone 8/8 Plus 夜景撮影時のノイズも減った印象だ

 iPhone 8 Plusについては、ポートレートモードの精度も上がっている。以下に掲載した写真を見れば分かるように、背景と人物がきっちり区別されており、ボケ味も自然だ。β版という扱いだが、ポートレートライティングという新機能も搭載されている。これは、その名の通り、被写体に照明効果を加えるもの。立体的に被写体を捉えているからこそできることで、実現にはA11 Bionic neural engineを活用している。機械学習でシーンを分析し、適切な処理をかけているということだ。

 効果は4種類で、輪郭を強調したり、背景を黒くして被写体を浮き上がらせたりといったことが可能になる。さすがに本当の照明を組んだようにとまではいかないが、お手軽にここまでの効果を出せるのは面白い。欲をいえば、もう少し照明効果が多かったり、人物の切り抜きができたりするといいのだが、まだβ版ということで、今後の機能向上にも期待できる。

iPhone 8/8 PlusiPhone 8/8 Plus
iPhone 8/8 PlusiPhone 8/8 Plus
iPhone 8/8 Plus ポートレートモードは、βが取れ、背景のボカシがより自然になった。ポートレートライティング(β)で照明効果を簡単に変更できるのは、iPhone 8 Plusならではの機能

 撮った写真を映し出すディスプレイにも新機能が加わっている。P3に対応し、色域が広い点や、視野角が広いのはもちろんのこと、新たにiPad Proシリーズが搭載してきた「True Tone」も搭載。これによって、周囲の光に合わせてディスプレイを調整する。蛍光灯下で見ると、やや黄色く見えるが、これは人間の目が色味を一貫して捉えることができるようにするため。写真がより自然に見えるほか、電子書籍など、じっくりディスプレイに向き合いたいときにも重宝する。

iPhone 8/8 Plus iPad Proシリーズと同じ、True Toneに対応する

iPhoneユーザーが安心して使える「10年の集大成」

 選ぶ際に悩ましいのが、2017年はこのiPhone 8/8 Plusに加え、iPhone Xがラインアップに加わっていることである。ほぼ全体がディスプレイになったiPhone Xのインパクトが強烈だったこともあり、ともすればiPhone 8/8 Plusは“廉価版”とも捉えられがちだ。ただ、ここまで見てきた各種機能からも分かるように、iPhone 8/8 Plusの性能については、iPhone 7/7 Plusから飛躍している点が多い。

 しかも、3機種ともプロセッサは同じで、ワイヤレス充電に対応しているのも共通している。スペックでの差分はディスプレイやカメラだが、それ以上に、筆者は操作性の違いも大きいことは指摘しておきたい。iPhone 8/8 Plusは中身を最新にしながら、ホームボタンを押してホーム画面に戻り、Touch IDでユーザーの認証をするという、これまでのiPhoneの流儀を踏襲した端末だ。これまでiPhoneを所有してきたユーザーが、特に難しいことを考えずに使える点は重要なポイントといえる。

iPhone 8/8 Plus 従来のiPhoneと同じく、Touch IDもしっかり搭載している

 筆者も含め、メディアは目新しさに心を奪われがちになるが、全ての人が一気に次の10年に進みたいわけではない。むしろ、率先して進みたいのはアーリーアダプターと呼ばれる人たちで、少数派かもしれない。操作の作法にこれまでとの断絶がなく、機能面では過去最高の仕上がりという意味で、iPhone 8/8 Plusは安心して買うことができる。筆者がこの2機種を「過去10年の集大成」だと考える理由は、ここにある。

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