メーカー製ならではの丁寧な作り! レノボのゲーミングPC「Legion Y720 Tower」(Ryzen×RADEONモデル)を試す画像・動画編集にも(3/3 ページ)

» 2018年02月23日 06時30分 公開
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Ryzen 7×RADEON RX 570の実力は?

 今回レビューした構成では、CPUとして「Ryzen 7 1800X」(3.6G〜4GHz)、GPUとして「Radeon RX 570」(メモリ4GB)を搭載している。

 Ryzen 7 1800Xは、8コア・16スレッド構成となる「Ryzen 7」シリーズの最上位モデル。PC USERに以前掲載されたレビュー記事でも良好なベンチマーク結果を残している。

 Radeon RX 570は、「Radeon RX 500」シリーズの上から2番目に位置するモデルで、APIとして「DirectX 12」と「Vulkan」をサポートしている。映像出力はDisplayPort 1.4(HDR対応)とHDMI 2.0に対応している。

CPU-Z 「CPU-Z」におけるCPU情報
GPU-Z 「GPU-Z」におけるGPU情報。グラフィックスカードはMSIから供給を受けているようだ

 メインメモリは8GBのDDR4 UDIMMを2枚(合計16GB)搭載している。メイン用途であるゲームを楽しむならおおむね十分な容量だ。「もう少し余裕がほしい」「画像や動画の編集も快適にできるようにしたい」というのであれば、最大で32GB(標準のメモリモジュールを16GB×2に換装)まで増設できる。

 さて、四の五の言っても始まらないので、各種ベンチマークテストで性能を測ってみることにする。

CINEBENCH R15

 まず「CINEBENCH R15」でCPUの処理性能を見てみよう。

 結果はCPU(マルチコア)が1627、CPU(シングルコア)が161となった。8コア搭載CPUということもあり、マルチコアスコアは大変優秀だ。シングルコアのスコアも良好だ。

CINEBENCH R15の結果 CINEBENCH R15の結果

PC Mark 10(Extended)

 次に「PCMark 10」でPCの総合性能を見てみよう。今回はゲーミング性能も確認できる「Extended」テストを敢行した。

 想定用途別の「テストグループ」における結果は以下の通り。なお、Gaming以外のカッコ内の数値は、同環境において通常テストを行った際の結果となる。

  • Essentials(日常使いの性能):7988(7953)
  • Productivity(オフィス用途の性能):7086(7007)
  • Digital Content Creation(画像・動画編集の性能):6390(6396)
  • Gaming(ゲーミングの性能):8741
  • 総合点数:5848(5083)

 いずれの結果も、一般的なデスクトップPCあるいはノートPCよりも良好。特に、画像・動画編集作業を想定した「Digital Content Creation」と(ある意味で当たり前だが)ゲーミングを想定した「Gaming」の数値は優秀だ。

PCMark 10 Extendedの結果 PCMark 10 Extendedの結果

3DMark

 さらに、3DMarkで3Dグラフィックの性能を確認する。このテストは、編集部が保有する4K(3840×2160ピクセル)ディスプレイと組み合わせて実施した。接続はDisplayPortで行い、リフレッシュレートは60Hz(60フレーム/秒)に対応している。

 結果は以下の通り。

  • Time Spy(DirectX 12を使ったゲーミングPC向けテスト):3864
  • Fire Strike Ultra(DirectX 11を使った4Kゲーミングテスト):2723
  • Fire Strike(ハイパフォーマンスゲーミングPC向けテスト):10656
  • Sky Driver(ノートPC、ミドルレンジPC向けテスト):29183

 “本気で”ハイエンド構成にしたゲーミングPCと比較すると数値的には若干見劣りする。4Kでの3D描画をテストする「Fire Strike Ultra」では、さすがに動きがカクカクになってしまった。

 とはいえ、一般的なPCと比べれば性能は十分に良好だ。「もっと3Dパフォーマンスを上げたい!」というのであれば、より上位のグラフィックスカードを買って換装する、という手段も選べる。

3DMark(Fire Strike Ultra)の結果 3DMark(Fire Strike Ultra)の結果。4Kの3Dゲーミングは若干厳しいか

CrystalDiskMark 6.0

 最後に、SSDとHDDのアクセス速度を「CrystalDiskMark 6.0」で計測した。

 先述の通り、今回レビューした個体では、SSDはSamsung Electronics製の「MZVLW256HEHP」、HDDはSeagate製の「ST2000DM001」を搭載している。SSDはシステムブートドライブとしてOSなどがインストールされている。一方、HDDはデータストレージとして「まっさら」な状態だ。

 まず、SSDはシーケンシャルリード(連続読み込み)が3472.9MB/秒(約3.4GB/秒)、シーケンシャルライト(連続書き込み)が1202.3MB/秒(約1.17GB/秒)となった。NVMe SSDの中でも、なかなかの高速ぶりを発揮している。OSの起動が“ほぼ一瞬”なのもうなずけるスピードだ。

 一方、HDDはシーケンシャルリードが211.6MB/秒、シーケンシャルライトが209.8MB/秒となった。SSDと比べると当然遅いのだが、HDDとしてはかなり高速な部類だ。

 大容量なデータを保存するのはHDDに、1秒でも高速なアクセスを要求されるデータはSSDに保存するといった使い分けをすると、かなり便利に使えるはずだ。

SSDの結果HDDの結果 SSD(左)とHDD(右)の計測結果。いずれも十分に高速。うまく使い分けると便利に使える

まとめ:フルHDまでのゲーミングにオススメ 画像・動画編集にも

 Lenovo Legion Y720 Tower(90H9000FJM)は、メーカー製ならではの丁寧な作りを感じられるタワー型ゲーミングPCだ。主要なパーツを工具なしで取り付け・換装できることは非常に好印象だ。

 標準構成では「フルHD解像度のゲームを快適に楽しめる」といった感じだが、グラフィックスカードの交換など、必要に応じてパーツを変えればハイエンドなPCゲームも楽しめるポテンシャルを持っている。CPUの性能を生かして画像や動画の編集も快適に行える。メインメモリを増やせば“さらなり”だ。

 直販サイトでは、たまに割引クーポンを発行している。割引率はタイミングによってマチマチだが、2月22日現在のクーポンを使うと税込14万4277円と、標準価格から約5万円引きで購入できる。

 「ゲーミングPCには興味があるけれど、イチから組み立てるのはちょっとなぁ……」と思っている人、「メンテナンスが手軽にできるゲーミングPCがほしい」という人、あるいは「画像や動画の編集を快適に行えるPCがほしい(ソフトは別として)」と考えている人は、Legion Y720 Towerを選択肢に入れても良いだろう。

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