Windows 10「RS5」に見え隠れするMicrosoftのモバイル新戦略鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2018年08月23日 14時30分 公開
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OneDriveに「PCの重要なフォルダ」の自動バックアップ機能

 次は、モバイル連携にも有用なMicrosoftのクラウドストレージ「OneDrive」のトピックだ。Microsoftは、Windows 10で特定のフォルダにあるデータをOneDriveに自動バックアップする機能の提供を開始した。米The Vergeの8月15日の報道で明らかになった。

 一度Windows 10でこの機能を有効にすると、「ドキュメント」「ピクチャ」「デスクトップ」上のファイルがOneDriveへと自動転送され、バックアップが作成される。複数のWindows 10 PCがある場合でもこの機能は有効で、クラウドを介してフォルダの自動同期が行われる。

 概要についてはOfficeのサポートページに詳しいが、一度「Protect(保護)」を選択した後でもフォルダごとにメニューで機能を解除できるため、ファイル容量の膨らみやすい写真を保存する「ピクチャ」は設定を外すなど、使い分けるといいだろう。

OneDrive OneDriveにおけるフォルダの自動バックアップ設定

 これはもともと2018年6月に「OneDrive for Business」の「Known Folder Move(KFM)」機能として提供を始めたもので、一般ユーザー向けのOneDriveにも機能が開放されたわけだ。企業のIT管理者がより組織内のクライアントPCを管理しやすくするための手段であり、Microsoftにとってはよりクラウドサービスを活用してもらうための入口となる。

 大容量ファイルのクラウド同期により「モバイルデータ通信で大量のデータを送信してしまう」事故に何度も遭遇している筆者としては要警戒の機能だが、少しずつ効用を確かめていきたい。

全デバイスの共通コアになる「Windows Core OS」とは?

 最後はMicrosoftの「新OS」に関するウワサだ。

 ここ1年を振り返ってみても「Andromeda」や、そのベースになる「Windows Core OS」、そして同OSを搭載した2画面デバイスといったウワサが多数出ては話題になり、やがて「実際にリリースされる可能性は低い」という報道によって沈静化するサイクルを繰り返してきた。

 今回はビジネスSNSであるLinkedInでのMicrosoftのエンジニア募集要項に「Windows Core OS(WCOS)」というキーワードが登場し、注目を集めている(既に募集は終了)。Microsoftは対外的な公式の場でWindows Core OS(WCOS)というキーワードを出したことはないと記憶しているが、このような形でその存在が事実であると確認できたことは興味深い。

LinkedIn LinkedInでの「Windows Core OS(WCOS)」関連のエンジニアを募集する投稿

 この募集要項には「SiGMa Device Platform(DPlat)」など不明なキーワードが多いが、「Windows Core OS(WCOS), which is the OS shared across all new devices.(WCOSは全ての新しいデバイスを通じて共有されるOS)」という表現にあるように、恐らくPCからモバイル、あるいはそれに属さない新カテゴリーまで含め、共通動作するOSコアだというのは想像できる。

 半導体を含むハードウェア方面でのコラボレーションにも触れられているため、より組み込み機器的な要素が強いようだ。この辺りについて、Microsoftからあらためて語られる日を期待したい。

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