まとめると、「AlexaスキルとしてのCortana」はあくまで「Echoデバイスから一時的にCortanaの機能(例えばメールやスケジュール、連絡先)を呼び出すための手段」であり、タイマーや音楽ストリーミングなどのAlexaに本来備わっている機能はそちらをメインに呼び出すものだということだ。
逆にWindows 10 PCのCortanaからAlexaを呼び出すケースでは、例えばAlexaに照明などのスマート家電が接続されている場合、それをPC上から制御する場合など、やはり片方の音声アシスタントのみに連携された機能を一時的に呼び出す手段として使うことがメインになるだろう。その他、Cortanaから呼び出したAlexaは、Amazon.comの配送状況確認、買い物リストの項目追加、クイズなどに対応する。
それぞれの音声アシスタントを俯瞰(ふかん)した場合、Alexaはメールなど仕事関連のデータを持っておらず、CortanaはWindows 10 PC以外の機器との連携が苦手でスキルが不足しているという問題を抱えている。互いの不足分を一時的に補間するというのが「Alexa・Cortana連携」の本懐というわけだ。
逆に考えると、Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」ではこうした心配が少ない。つまり今回のAmazonとMicrosoftの音声アシスタント連携は、将来的にAlexaとCortanaがこれらの勢力と渡り合っていくための仕掛けともいえる。
AIをクラウドからエッジへ Microsoft開発者イベント「Build 2018」を読み解く
AIアシスタントでAmazonとMicrosoftが手を組む理由
スマートスピーカーの次に来るのは「スマートディスプレイ」? 5製品のスペックを比較する
「Amazon Echo Spot」を使いやすくする設定“10選”
「Amazon Echo」を設置したら試したい 生活が快適になるスキル7選
「Amazon Echo」と「Google Home」を120日使い比べて分かった優劣
「スマートスピーカーの誤反応」はどれくらい起こる? 100時間テストした結果
争いは「スピーカー」を超えていく 急成長するスマートスピーカー市場の今後は?
自然な音声作る「WaveNet」の衝撃 なぜ機械は人と話せるようになったのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.