もう1つ興味深い挙動として、本製品とFire HD 10を並べて設置し、離れたところから呼びかけると、決まってFire HD 10が応答することが挙げられる。どちらもESPモードはオン、つまりユーザーから近い距離にあるAlexaデバイスが応答するはずだが、やや本製品寄りの位置から呼びかけても、返事をするのは決まってFire HD 10だ。
これはおそらく、Fire HD 10のマイク性能が高いことが理由だと考えられる。つまり、マイク性能がよく声も明瞭に聞き取れるがゆえに、ユーザーに近いところに設置されていると見なされている可能性だ。これも筆者の想像の域を出ないが、あり得ない話ではないと思う。
実際のところ、本製品のマイク性能はあまり高くなく、1mも離れていない近距離から呼びかけても、無反応であることもしばしばだ。元々がタブレットゆえ仕方ない部分はあるものの、Echoと同じ感覚で使おうとするとやや戸惑う。少なくとも、こっそり使うのには、あまり向かない印象だ。
本製品は、8型というコンパクトな画面サイズながら、Showモードが利用できることから、普段はタブレットとして使い、そうでない時はShowモードを用いてスマートスピーカーの代替として使うのにぴったりだ。本家のEchoと違ってバッテリーで駆動できるため、リビングから寝室へと持って移動できるのもメリットだろう。
ただし、ハードウェアの性能については、やはり専用機にはかなわないというのは、既にEchoに使い慣れたユーザーであれば、短時間の利用ですぐに実感するはずだ。そのため、自宅に導入済みのEchoの補助として使ったり、またEcho購入前の体験用として使ったりするには問題ないが、据え置きで長期的に利用するのであれば、やはり専用機を買った方がよいだろう。
とはいえ、Fireタブレット自体、1〜2年に一度のモデルチェンジが行われており、今回紹介している第8世代モデルも、遅くとも2020年にはモデルチェンジが行われる可能性が高い。今回のShowモードは、日中アイドリング状態にある本製品の活用の幅を広げられるのはもちろん、買い替えで余った本製品の寿命を伸ばすのにも適した機能と言えるだろう。
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