最後に消費電力を確認して終わりとする。グラフの通り、Ryzen 9 3950Xの方がCore i9-9900Kよりも大きな値だ。検証環境の構成違いがあるため、そこを考慮しつつ以下を読んでほしい。
まず差の小さいテストを見ていこう。アイドル時、CINEBENCH R20のCPU時、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの3840×2160ドット高品質時はおよそ20W差だ。アイドル時は当然CPUの使用率が低い。FFベンチマークも高解像度ならGPU中心でCPU使用率は低い。ただ、CINEBENCH R20はCPU使用率は特に高い。どちらかに振れた条件では、Ryzen 9 3950XとCore i9-9900Kの差は小さい。
続いては差の大きいテストだ。PCMark 10のProductivity、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの1920×1080ドット高品質時、3DMark Fire Strike時はおよそ40W超の差が出ている。PCMark 10のProductivityはCPU中心だが、負荷がそこまで高いとは言えない。FFベンチマークの低解像度はGPU負荷が下がりCPU負荷は高め、3DMark Fire StrikeはCombined TestはCPU負荷が高めだ。
両者ともCPUを使い切るCINEBENCH R20で20W、ややCPU負荷の高いテストで40W差、CPU負荷の低めのテストで20W差というように見える。中間の負荷で差が出るということもあるだろう。実際の最大消費電力の違いは先の通り構成の違いで分からないが、負荷に応じて最低20Wの差がつくことがある、という点は断言できるだろう。
AMDが当初12コア製品にとどめ、Ryzen 9 3950Xで280mm級の簡易水冷以上を推奨したように、シュリンクした7nm世代とは言え電力とのバランスを考えるとそもそもRyzen 9 3950Xは少しオーバースペックの製品だと言える。その点で、これまでの第3世代Ryzenよりは気合を入れて組みたいCPUだ。
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