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つくば初の「Tsukuba Mini Maker Faire 2020」開催、自作キーボードの展示やマイコンボードの販売もTsukuba Mini Maker Faire 2020レポート(5/6 ページ)

» 2020年03月10日 12時25分 公開
[石井英男ITmedia]

テスラコイルのデモや「化ける!きつね面」も登場

 高エネルギー技術研究室は、ダークルーム(暗室)で「平面型基板テスラコイル」を、2Fの外スペースで巨大な大型テスラコイルのデモを行っていた。

 平面型基板テスラコイルは、高電圧を発生するテスラコイルを小型化し、消防法にも対応、イベントなどでの展示をしやすくしたものだ。大型テスラコイルは、300万Vもの超高電圧を発生することができ、大きな音を立てて放電する様子が壮観だった。

TMMF 2020 高エネルギー技術研究室のブースで展示されていた「平面型基板テスラコイル」。高電圧を発生するテスラコイルを小型化し、イベントでの展示をしやすくしたもの
TMMF 2020 こちらは2F外スペースに展示されていた大型テスラコイル。300万Vもの超高電圧を発生できる
平面型基板テスラコイルや大型テスラコイルの動作デモ。地上からもテスラコイルの放電がよく見える

 いしかわきょーすけ氏は、氏がライフワークとして製作を続けている手のひらサイズのペンプロットの展示やデモを展開していた。最新作は2本のペンを使って2色出力が可能になっているが、多くのプロトタイプを製作しており、その変遷が分かるようになっていた。名刺サイズの紙に出力したサンプルを来場者に配っていたが、精度も高く見事な出力であった。

TMMF 2020 いしかわきょーすけ氏が展示していた、手のひらサイズのペンプロッタ
TMMF 2020 2カ月の間に4基も設計が異なるペンプロッタを製作。手前にあるのがペンプロッタで出力したもので、2色出力が可能だ
TMMF 2020 こちらもいしかわ氏が過去に作成した小型ペンプロッタ

 「化ける!きつね面」の展示とデモを行っていたのが、カサネタリウムのブースだ。化ける!きつね面は、内部に約530個ものフルカラーLEDを搭載したお面で、発光色を変えることでさまざまな表情を表現できる。これまで試作したプロトタイプがいくつも展示されており、苦労の様子がよく分かる。和紙の張り子技法を用いた拡散板をLEDの前に重ねることで光を拡散させ、LEDが目立たず柔らかい光となる。

TMMF 2020 カサネタリウムのブースでは、多数のフルカラーLEDを利用した「化ける!きつね面」の展示されていた
TMMF 2020 約530個のフルカラーLEDが搭載されており、モバイルバッテリーで動作する。和紙を貼ることでLEDの光が拡散され、柔らかくなる

 物質材料研究機構ナノフロンティア材料グループのブースでは、超伝導に関するデモが見られた。1つは、マイスナー効果とピン止め効果のよくあるデモで、磁石の上で超伝導体が浮き、多少力を加えても見えないバネで固定されているかのように元の位置に戻るという実験だ。

 もう1つは、超伝導体ジェットコースターだ。これは、ジェットコースターのレールにそって磁界があり、レールの前後方向には動くが、レールから外れる横方向については、ピン止め効果が働くため、動きにくくなる仕組みだ。子どもたちに、超伝導体をピンセットで触らせてくれたので、超伝導現象の不思議さを実感できたであろう。

TMMF 2020 物質材料研究機構ナノフロンティア材料グループのブースでは、超伝導に関するデモを行っていた。写真はマイスナー効果とピン止め効果によって、空中に浮く超伝導体のデモだ
ピン止め効果を利用した、超伝導体ジェットコースターの様子。最後の方でレールから外れてしまったが、うまくいけば最後までレールから外れずに滑っていく

 一瀬卓也氏が行っていたのは、ロボットボール「omicro」のデモだ。omicroは、サッカーボールくらいの大きさのロボットボールで、前後/左右に自由に動かすことができる。Bluetoothに対応しており、スマホやタブレットから操作が可能だ。会場では、一瀬氏の腕につけた加速度センサーによって操っていた。

TMMF 2020 一瀬卓也氏が製作したロボットボール「omicro」

 大小さまざまなロボットの展示も多かった。

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