先週、開発コード名「Panther Canyon」こと、第11世代Core搭載のIntel製小型ベアボーン「NUC」シリーズから、Core i7搭載モデル「NUC11PAHi7」が登場した。価格は7万4000円弱(税込み、以下同)だ。
NUC11PAHi7は2.5インチとM.2のSSDが1基ず、さらに2枚のDDR4 SO-DIMMが組み込める超小型ベアボーンで、CPUは4コア8スレッドの「Core i7-1165G7」を採用する。内蔵GPUは「Iris Xe Graphics」で、mini DP(1.4)とHDMI(2.0a)を各1基、Thunderbolt 3端子を2基備え、最大で4画面出力が行える。
入荷したショップの評価は概ね高い。パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「Iris Xeが強力ですからね。2020年からのリモートワーク需要まではいかないまでも、小型ベアボーン需要はまずまずありますから、ハイスペックなモデルを待っていた人は多いと思います」という。
第11世代NUCは2020年2月に茶箱の「NUC11TNHi3」を皮切りに、4月にはCore i5/i3搭載のリテールパッケージモデルが登場した。続いて、次週にはCore i7-1165G7とGeForce RTX 2060を内蔵したゲーミングNUC「Intel NUC 11 Enthusiast Kit」が売り出されたが、標準ラインのCore i7モデルは初めてとなる。
待望のモデルともいえそうだが、複雑な表情を浮かべるショップが多い。あるショップは「半導体不足の影響もあってか、今期のNUCは供給がずっと少ないままです。ラインアップが一気に出回らずに小出しになっているのも、そういった事情が少なからず関わっているんじゃないかと思います」という。
また、別のショップは「少数入荷だと、法人さんが同じ仕様のモデルをまとめ買いするという買い方ができません。そういう需要はASRockのDeskMiniシリーズなどに流れていますね。個人でも、ゲーミングモデルと違って指名買いされるほどの熱があるわけではないため、『在庫がなければ別のでいいや』となる。仕方ないんですけど、機会損失がずっと続いていますね……」と話していた。
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