さて、設置が完了すれば、後は睡眠データの取得および分析が自動的に行われるようになる。本製品の画面を右→左へスワイプすると表示されるメニューの中に、新たに「睡眠管理」という項目が追加されており、睡眠モニター関連のデータを閲覧できる。
表示可能なデータは、床についた時間と就寝時間、起床時間、さらにいびきやせきの有無、外光の明るさも記録される。これらのデータを見ていると、入眠をしてしばらくは静かだが、時間が経つといびきをかき始めるとか、照明が明るくなってきたタイミングで目が覚めているとか、自分の睡眠の傾向が分かってくる。
これらのデータは本製品の他、Google Fitアプリを使ってスマホ上で確認することも可能だ。こちらはグラフィカルな要素こそ一部欠けるものの、週次に加えて月次や年次での統計値も確かめられるのに加え、歩数データなどGoogleアカウントにひもづく他のデータとまとめて参照できる。さらに不足分の睡眠データを手動で追加する機能もある。
本体とアプリ、どちらで参照するのがベターかと問われると、基本的にアプリ(Google Fit)を用い、気になる項目だけは本体で見るという役割分担がよいと思う。本体は画面が細かく分割されているせいで行ったり来たりになる他、レスポンスがあまり高速ではないため骨が折れるからだ。ただしGoogle Fitアプリでの参照もスクロールの量が多すぎるなど一長一短はあるので、ユーザーの好みにもよるだろう。
本製品は肌に直接装着するわけではないため、睡眠分析の機能としてはおなじみの、レム睡眠とノンレム睡眠を判別する機能は搭載されていない。心拍数を測定できない以上、致し方ないだろう。ただし本製品は将来的にFitbitとの連携が予告されているので、そちらから取得したデータをGoogle Fitアプリ上で合わせて分析できるようになる可能性はある(後述)。
この他、少々もったいなく感じるのは、設定した起床時間を過ぎるまでは、当日のデータを見られないことだ。どうやら起床時間を過ぎたタイミングでまとめて解析するサイクルになっているようで、例えば指定時間よりも早く目覚めて、当日その時点までの睡眠データがきちんと取得できているか確認しようとしても、前日のデータまでしか参照できない。
そのため、睡眠時間が不足していればもう少し寝ようと考えていても、現状の仕組みでは確認できない。長期的なデータはGoogle Fit側で参照しつつ、本体側では速報値のような形であっても、リアルタイムに役立つメッセージを出せるようになれば、役割分担もはっきりして、より便利になりそうだ。
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