「AirPods Pro(第2世代)」と初代を比較して分かった! 驚きの「音質」「ノイキャン」性能本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/5 ページ)

» 2022年09月22日 22時00分 公開
[本田雅一ITmedia]

自然な「透過モード」と驚きの「環境音除去」

 ANCの効きの強さは、「静寂さ」を引き出すという面において大きな進歩であることはもちろん、Appleは巧みにこの価値を体験価値の向上へと結びつけている。そのことがよく現れているのが「透過モード(外音取り込みモード)」の自然さと、適応型環境音除去機能である。

 ANC対応イヤフォンにおける透過モードは当たり前となった感もあるが、Appleのそれは透過音の“自然さ”において優れている。第2世代のAirPods Proでは、その自然さに磨きがかかっている。ナイロンや紙の擦れるガサゴソ音や、キータイプの音などは、刺激がやや強くなる傾向こそあるものの、周辺の音をバランスよく取り込んで、高さを含む方向感もきちんと再現してくれるようになった。

 透過モードに設定した第2世代AirPods Proを装着したまま街に繰り出しても、全く違和感なく溶け込むことができる。もちろん、音楽を流していても違和感はない。音楽を止めた上で透過モードのまま街中を歩いてみると、工事現場や電車の近くに来て80dBを超える環境音を検知すると、ANCが自動的に80dB相当になるように調整してくれる。それも自然かつ緩やかに、だ。

 この「80dB」はAppleが聴覚に影響を与える可能性があるとしている騒音レベルだ。自動的に80dB相当になるように調整するのは、聴覚異常を来すことを防ごうという意図がある。突発的に大きな騒音に出くわした場合でも、AirPods Proが自動的に耳を守ってくれるわけだ。

 ここで重要なのは、ANCが“緩やか”に効くことである。より広い音域でANCが働くので、ユーザーに「ANCが効いてるなぁ」と意識させる場面もほとんどない。

 ちなみに、ANCをオンにした状態で片耳のAirPods Proを外すと、先代と同様に反対側のユニットは自動的に透過モードに切り替わる。この時、片方は直接、片方はAirPods Proから環境音が聞こえてくることになるが、そこでも不自然さをほとんど感じさせないのはさすがである。

 この透過モードの体験をさらに高めているのが、自分の声をより正確に拾えるようになったマイクだ。透過モード時に声を出した際、自分の声がより自然に感じられる。

 内向きマイクの配置と信号処理の改良によって達成されているのだが、この改良は通話時の音声品質にも大きく寄与している。

マイク 第2世代の内向き内蔵マイクは再設計されたものである。外観からは分からない改善点の1つといえる

ノイズキャンセリングは「通話音声」でも効果てきめん

 第2世代のAirPods Proを使ってみて、筆者はANCや透過モードの改善以上に内蔵マイクのノイズキャンセリング能力に驚いた。

 先に念を押しておくと、AirPods Proのマイクが使われるシーンでは、接続先のデバイス(iPhoneやMacなど)との間で使われる音声伝送プロファイルが切り替わる。そのため、接続先のデバイスに伝わる音声には、透過モードで聞こえてくるような“高音質さ”はないので注意したい。

 「じゃあ何がスゴいの?」という点だが、AirPods Proが自分の声から周囲の環境音をしっかりと取り除いてくれるということである。つまり、接続先デバイスを介して通話相手に届く声がクリアになるのだ。

 「他の完全ワイヤレスイヤフォンも同じようなことしてますよね?」と聞かれたら、その通りである。通話品質の良さをアピールするモデルも少なくない。しかし、実際に試してみると看板倒れとしか言いようのない製品もあり、風を切る音が残ってしまったり、声がブツブツ切れてしまったり、除去しきれないノイズが残ってしまったりということもある。

 その点、第2世代のAirPods Proは初代から通話品質を大幅に改善している。街中からAirPods Proを使って通話をすると、相手には「静かな部屋からコールしているのかな?」と思ってしまうくらいの音声が伝わる。

 LINEアプリで通話しつつ外出をし、自転車に乗ってコンビニ向かい(※1)、その後帰宅するというシチュエーションで第2世代AirPods Proを使ってみたが、通話相手は筆者が自転車に乗っていたことはもちろん、コンビニにいたことにも気付かなかったという。

 同様に自動車を運転しながら使ってみると(※1)、強力なノイズ除去が行われる自動車向け車載マイクでは顕著な声の“変質”がほとんど見られず、相手には時折流れるカーナビの案内音声がかすかに伝わる程度だった。

 他社製品との比較は控えるが、少なくとも初代AirPods Proと比べると差は歴然である。以下に比較した動画を掲載するので、実際に聞き比べてみてほしい。

(※1)編集者注:都道府県によってはイヤフォンを装着した状態での自転車(軽車両)、原動機付自転車や自動車の運転を禁止または制限しています(片耳着用でも禁止または制限しているケースもあります)。イヤフォンを装着した状態での運転の可否は、各都道府県の警察本部に確認してください


第1世代と第2世代のAirPods Proで通話音声を比較してみる

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