遊ぶタイトルによっては、Ryzen 9 7950X3Dよりもゲームで有利かもしれない――そうなると、Ryzen 7 7800X3Dの“強さ”をチェックしたくなってくる。ここからは、同CPUの実力を、ベンチマークテストを通して明らかにしていきたい。
今回はAMDから提供されたレビューキットをベースに、筆者の手持ちの機材を組み合わせて構築したテストを実施した。主なスペックは以下の通りである。
なお、今回は参考情報として、過去に行ったRyzen 9 7950X3DとCore i9-13900Kのベンチマークテストの結果も掲載する。
まず、3Dレンダリングを通してCPUの性能をテストする「CINEBENCH R23」を実行してみた。結果は以下の通りだ。
当然かもしれないが、Ryzen 7 7800X3Dはマルチコアのスコアが奮わない。ほぼキレイにRyzen 9 7950X3Dの半分となっている。8コア16スレッドしかないので、致し方ない。パフォーマンスコア(Pコア)の数なら、Core i9-13900Kも同数だが、16基16スレッドある高効率コア(Eコア)がてきめんに効果を発揮している。
一方、シングルコアのスコアは、純粋に最大クロックの差である。Ryzen 7 7800X3DとRyzen 9 7950X3Dは、定格こそ同じ4.2GHzだが、最大クロックで0.7GHz(700MHz)の差がある。Ryzen 7 7800X3Dのスコアをクロックと同じ1.14倍すると、Ryzen 9 7950X3Dとほぼ同じになるので、「最高クロックが惜しい!」といったところだろうか。
続いて、PCの総合的な性能をチェックする「PCMark 10」の結果を見ていこう。総合スコアは以下の通りとなった。
3D V-Cacheの真価は、複数のCPU命令が入れ替わり立ち替わり実行される場面で発揮されやすい。PCMark 10のテストは、CPU命令という観点では単調な傾向にあるため、L3キャッシュの多さを生かしづらい。
PCMark 10のテスト内容は、PCの基本的な操作にフォーカスしているゆえに、多コアCPUのメリットも表れづらい。よって、総合スコアは似通った値となっている。
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