続けてゲームで用いる3Dグラフィックス機能をテストできる「3DMark」を使って、Ryzen 7 7800X3Dの“底力”をチェックしてみよう。各テストの総合スコアは以下の通りだ。
筆者は当初、「いくら3D V-CacheでL3キャッシュが多くても、Ryzen 7 7800X3Dは厳しいのではないか……?」と思っていたが、思った以上に健闘している。Ryzen 9 7950X3Dと比べて4万円、Ryzen 9 7950X(11万7800円)と比べても4万6000円安いCPUで、これだけのパフォーマンスを出せるのなら、魅力的な選択肢といえるのではないだろうか。
ゲーム性能に特化した自作PCを作りたいけれど、予算の捻出が難しい――そんな人にピッタリなCPUといえそうだ。
「Ryzen 7 7800X3Dは、本当にリアルなゲームでも強いのか?」と考える人もいるかもしれない。そこで、実際のゲーム、あるいは実際のゲームと同じエンジンを利用するベンチマークテストを実行してみよう。
手始めに、比較的軽めの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみる。今回は始めから画質を「最高品質」設定とした上で、「フルHD(1920×1080ピクセル)」「WQHD(2560×1440ピクセル)」「4K(3840×2160ピクセル」の3解像度でスコアを計測した。結果は以下の通りだ。
驚いたことに、何と全ての解像度でRyzen 7 7800X3Dがトップに立った。さすがに4K解像度では僅差だが、フルHD/WQHD解像度では少しポイントが開いている。
もちろん、過去のテストと比べてドライバー群の最適化が進んだ結果なのかもしれないし、FF14ベンチマークが他コアCPUのメリットを生かしづらいという特性ゆえの結果である可能性もある。とはいえ、良好な結果であることには変わりない。
では、より負荷の大きいゲームではどうなるだろうか。「FINAL FANTASY 15 WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。こちらも画質を「高品質」とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
こちらのテストでは、Ryzen 7 7800X3Dが4K解像度においてトップに立った。フルHD/WQHD解像度でも、過去のテストと遜色のないスコアを残している。
Ryzen 7 7800X3Dは、ある意味で「クロック全振り」とは違う文脈でゲームに最適なCPUの1つといえそうである。
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