ここからは、Radeon RX 7600の実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回のテストでは、機材調達の都合で「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを行った。グラフィックスドライバーはテスト版の「Adrenaline 23.10.01.16」を利用している。
比較用として、今回は筆者が過去に実施した「Radeon RX 6600 XT」を使用した検証環境でのテスト結果も掲載する。ただし、CPUやメモリの動作クロックが違うため、あくまでも参考値として捉えてもらいたい。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」と、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を実行した。総合スコアは以下の通りである。
「XT」の名前が付いている通り、今回の比較であるRadeon RX 6600 XTは、AMDが先代指定しているRadeon RX 6600の上位モデルである。先代の上位モデルを上回るスコアを記録している。着実なパフォーマンス向上は確認できた格好だ。
ちなみに、Radeon RX 7600では、リアルタイムレイトレーシング(RT)のパフォーマンスをテストする「Port Royal」も実行している。スコアは「5452」で、過去にPC USERで行ったRadeon RX 6600 XTのレビューと比べるとスコアが1100ほど向上している。GeForce RTX 3060クラスにはなっているので、RTを使ったゲームもそこそこ楽しめるようになっているはずだ。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD、WQHD、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
スコアの傾向は、3DMarkのテストに近い。フルHDではスコア差はわずかだが、WQHDではスコア差が大きくなり、4Kではまたスコア差がわずかになる――そんな感じだ。
圧倒的な差はないものの、同じ「フルHDに最適」なGPUでも、世代を重ねると余裕が増すということは実感できる。
続けて、システムへの負荷がやや高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD、WQHD、4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
これまでのテストと比べると、Radeon RX 7600とRadeon RX 6600 XTのスコア差は小さめである。解像度が高くなるほど差が小さくなるということは、GPU以外の要素にボトルネックが生じている可能性も否定できない。FF15はNVIDIA製GPUに最適化されているため、AMD製GPUではスコアが出にくいという“事情”もありそうではある。
とはいえ、「フルHDにおいて快適」という一線はしっかり保たれている。日本における価格次第では、高い競争力を確保できそうだ。
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