自分のノートPCについて下調べが済んだら、集めた情報をもとに必要なモノを検討し、準備しよう。準備すべきモノは環境によって若干変わるが、基本的には以下のモノを用意すれば大丈夫である。
(※1)メディアがDVD-ROM(DVD-R)やBD-ROM(BD-RE)の場合は光学ドライブも用意
必要なモノの一部について、もう少し深掘りしてみよう。
新しいM.2 SSDについては、少なくとも現在使っているものと同じ「規格」「容量」で、チップが「片面実装」となっているものを選ぶようにしたい。
規格については、ここ2〜3年にリリースされたノートPCなら「PCI Express接続かつNVMe規格」のM.2 SSDの中から、装着できる寸法のモデルを選べは問題ない。ノートPCのM.2 SSDスロットが「PCI Express 4.0」に対応していることが分かっている場合は、PCI Express 4.0対応のSSDを選ぶとパフォーマンス面でより有利だ。
2016〜2019年頃にリリースされた少し古いノートPCでは、Serial ATA接続とPCI Express接続の両方のM.2 SSDを装着できるモデルが多い。そのようなモデルでSerial ATA接続のM.2 SSDが装着されている場合は、PCI Express接続のものに取り換えるだけでパフォーマンスが向上する。
容量については、特にディスククローンアプリを使う場合は少なくとも現在と同じであることにこだわりたい。
例えば「今は512GBのSSDを使っているけれど、150GB程度しか使わないから、新しいSSDは256GBに減らそうかな……」と考えたとする。外付けSSDケースなども用意して、いざクローニングを実行しようとしたら「ターゲット(ディスク)の容量が足りません」と出て実行させてくれない場合があるのだ。
高機能なディスククローンアプリでは、より少ない容量のストレージにデータを複写する「縮小クローニング」を行えるものもある。しかし、同一容量か、より大きな容量のストレージへのクローニングしか考慮されていないアプリも多いので注意しよう。
なお、SSDは原理上、同じシリーズならより容量の大きいモデルの方が読み書き速度や寿命に優れる傾向にある。できる限り大容量のモデルを買った方が、快適かつ長く使えるので覚えておきたい。
ドライバー(ネジ回し)は、基本的には小さめのプラスドライバーがあれば十分です。サイズの合うドライバーが分からない場合は「精密ドライバーセット」を用意するといい。
なお、特に裏ぶたにおいて特殊ネジ(プラスでもマイナスでもない形状のネジ)を使っているノートPCも存在する。特殊ネジが使われている場合は、そのネジに対応できるドライバーがあるかどうか、調べてみよう。意外と簡単に見つかるはずだ。
ネジを緩めても裏ぶたがなかなか外れない場合、多くは裏ぶた(またはボディーフレーム)にある“爪”が引っかかっている。そんな時、ギターピックを用意しておけば、ボディーと裏ぶたのすき間にわせることで爪を簡単に外せる。それほど高くないので、1枚持っていても損はない。
なお、もんじゃ焼きのへらもギターピックと同じ目的で使える。持ち手がある分、使い方によっては作業性が増すので合わせて検討したい。
ノートPCの多くは、M.2 SSDスロットを1基しか備えていない。そのような場合にディスククローンアプリを使うには、外付けM.2 SSDケースを用意する必要がある。外付けM.2 SSDケースの多くはUSB接続だが、数こそ少ないがより高速なThunderbolt 3/4接続のものもある。
外付けM.2 SSDケースを用意すると、古いM.2 SSDを「外付けストレージ」として再利用しやすくなる。しかし、多くの外付けSSDケースは「Serial ATA接続専用」か「PCI Express接続専用」となっていて、異なる接続規格のM.2 SSDに対応できない。
例えばSerial ATA接続のM.2 SSDからPCI Express接続のM.2 SSDに換装する場合、取り換え前のSSDへのクローニングを行う際はPCI Express接続専用ケース、取り換えた後の古いSSDを再利用する際はSerial ATA接続専用ケースが必要となる。都合2種類のケースを用意するのは面倒ともいえる。
幸いなことに、現在はSerial ATA接続とPCI Express接続の両方に対応できるM.2 SSDケースも存在する。規格をまたぐ換装を行う場合は、このようなケースを購入するようにしたい。
少し視点を変えると、ケースを購入する際は搭載できるモジュールのサイズにも気を付けたい。「Type 2280」の装着しか想定していないケースも少なくないので、より小さいサイズのM.2 SSDの換装を検討している場合は、買おうとしているケースがType 2280よりも小さいモジュールに対応できるかどうか確認しよう。
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