ウィルコムは9月10日、全国に16万局が設置されているPHSの基地局を活用し、地方自治体向けに各種災害対策システムを提供する「防災システムソリューション」を開発したと発表した。
ウィルコムが展開しているPHSサービスの基地局は、携帯電話事業者が展開する基地局の2〜4倍の数に上り、市街地では数百メートルに1カ所の割合で設置されている。そのため災害時に特定の基地局が通信不能になっても、隣接する他の基地局での通信が可能であるケースが多く、災害に強いシステムといわれている。
こうした特徴を持つPHS基地局のロケーションと設備を有効活用できるのが、ウィルコムが開発した災害対策システムだ。具体的には、地方自治体の防災放送用スピーカーや緊急地震速報受信機、降雨量計、カメラなどをPHS基地局の近隣に設置し、ウィルコムのIPバックボーンと接続して、自治体イントラネットを構築できるようにした。これにより、自治体は地域災害情報の把握、情報の収集および避難情報などの迅速な周知・配信が可能になるほか、地方自治体では地域の防災システムの構築および運用も容易になるという。
ウィルコムは、すでにメタウォーターと共同で、PHS基地局に雨量計測器を設置し、地方自治体向けに雨量情報を提供する「降雨量計測システム」を開発し、9月から福井県福井市で試験運用を開始する計画。局地的な豪雨による土砂災害や洪水、河川のはんらんなどの災害の予測が、これまでよりも正確かつ迅速に行えることが見込まれている。ウィルコムとメタウォーターとの取り組みは、将来的には雨量情報、浸水予測情報をサービスとして提供できるシステムに発展させることも視野に入れている。
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