スマートフォンの法人利用、求めるのは高度な情報共有機能より“快適な操作性”調査リポート

» 2010年03月10日 19時18分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは3月10日、ビジネスモビリティの利用実態に関する調査結果を発表した。同社ではビジネスモビリティを、「オフィスの自席から離れて仕事をする際に、ノートPCや携帯電話、スマートフォンなどの携帯情報端末を使って、オフィスにいる時と同等かそれに近い環境で仕事ができること」と定義。ビジネスモビリティに関係するノートPCや携帯電話、スマートフォンについて、企業ユーザーを対象に利用実態を調査した結果をまとめた。

 同調査によれば、ビジネスモビリティでノートPCを活用することにより、「生産性が50%以上向上した」という回答が6割を超えている。他方で、社外にノートPCを持ち出して活用するユーザーは全体の約2割に留まっており、残りの8割のユーザーはノートPCを持ち歩かないことが分かった。持ち出さない理由には、「許可が下りれば仕事の効率が上がるので持ち歩きたいと考えている」「セキュリティが心配なので持ち歩きたいとは思わない」「ノートPCを持たなくても携帯電話で十分である」「ノートPCを持たなくてもスマートフォンで十分である」などが挙がっている。

 回答の割合は企業規模により異なるが、「許可が下りれば仕事の効率が上がるので持ち歩きたいと考えている」「セキュリティが心配なので持ち歩きたいとは思わない」という回答は、企業の規模が大きいほど割合が高くなり、「ノートPCを持たなくてもスマートフォンで十分である」という回答は、小規模企業のほうが多い傾向がみられた。

 また、スマートフォンに求める機能については、1位に通信速度、2位に軽さ、3位にキーボード入力、4位に紛失時の機能停止、5位にメールの送信、6位に長時間駆動、7位にOSが挙がった。現状では法人のスマートフォンユーザーは、クラウドを活用してPCなどと自動で情報を同期するような高度な機能よりも、端末の快適な動作や操作性を望んでいるという結果となった。

 企業規模別、業種別の分析を含めた詳細な報告は、同社が発行したレポート「2010年 国内ビジネスモビリティ市場 ユーザー利用実態調査」に掲載されている。同リポートの価格は63万円。

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