Intel、MeeGo推進の姿勢を明らかに――NokiaとMicrosoftの提携をものともせず

» 2011年02月17日 12時39分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 米Intelのポール・オッテリーニCEOは、同社のスマートフォン用OS「MeeGo」の今後の見通しについて強気な姿勢を示している。だがフィンランドのNokiaが米MicrosoftのWindows Phone 7を主要なスマートフォンプラットフォームとして採用したことで、MeeGoの将来は危ぶまれている。MeeGoはIntelとNokiaが共同で開発したOSだ。

 「Nokiaの戦略変更が業界各社の戦略に影響を与えるとは思わない」――今週バルセロナで開催されたMobile World Congressにおいて、オッテリーニ氏はBloombergの取材でこのように語った。「通信各社は今でも、オープンでしかも事業者にフレンドリーなOSを求めている」

 Bloombergの報道によると、オッテリーニ氏はNokiaとMicrosoftが提携する理由は「理解できる」と語ったようだ。Nokiaは自社のメインプラットフォームとしてWindows Phone 7を採用するが、MeeGoで動作する携帯端末のリリースも年内に予定している。一方、IntelはMeeGoで動作するタブレットおよびスマートフォンを開発しているもようだが、これらのデバイスのリリース時期は依然として不明だ。

 MeeGoの開発でIntelに協力しているその他のメーカーおよびキャリア各社は、今後も協力を続ける方針だ。これらの企業には、米AMD、米Texas Instruments(TI)、スイスのST-Ericsson、米Novell、米Sprint、スペインのTelefonicaなどが含まれる。

 MeeGoは2010年のMobile World Congressでデビューしたが、Intelが同プラットフォームのアプリケーションストア「AppUp」を正式公開したのは、それから9カ月後のことだ。MeeGoはタッチスクリーン上に並んだ縦型コラムにコンテンツ(動画、音楽、連絡先など)を分類するというインタフェースを採用している。

 一方、MicrosoftとNokiaの提携は、将来的にモバイル分野の勢力地図を大きく塗り替える可能性があるものの、「両社はWindows Phone 7の市場投入をもっと急ぐ必要がある」というのがアナリストらの一致した見解だ。

 米IHS iSuppliのアナリスト、ウィリアム・キッド氏は「Microsoftとの提携に基づく製品が1年弱で登場する可能性は低いため、Nokiaは今年、ぶざまなことだがSymbianとMeeGoの両プラットフォームに頼るしかない」と2月14日付のリサーチノートに記している。「これは、スマートフォン分野で立場が弱くなっているNokiaにとって、さらにマイナスになるだろう」

 Nokia製Windows Phone 7端末のコンセプトイメージは、既にWinrumorsなどのWebサイトに出回っている。これらの端末のスマートなボディは、iPhoneや米MotorolaのDROID端末などのハイエンドスマートフォンを意識したデザインのように見える。だがこのデザインが最終製品に採用されるかどうかがはっきりするのは、2012年になるかもしれない。

 NokiaとMicrosoftの提携の結果、Nokiaが強力なプレゼンスを築いている国際市場に進出する足掛かりをMicrosoftは確保できそうだ。しかし米調査会社comScoreが最近公表したデータによると、大手携帯OEMの間でNokiaは最下位となっている現状を考えれば、この提携は米国市場に大した影響を与えない可能性もある。

 Nokiaのサポートの有無にかかわらず、MeeGoは米GoogleのAndroid、米AppleのiOS、Windows Phone 7、そしてカナダのResearch In Motion(RIM)のBlackBerry携帯とPlayBookタブレットとの厳しい競争にさらされている。

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