残された時間を価値あるものに結果を出して定時に帰る時短仕事術

「ワークライフバランス」という言葉に代表されるように、仕事とプライベートの両立は、長い仕事人生を充実したものにするためにも、欠かせないコンセプト。本連載では、目標設定した時間内に、しっかり成果を出せる知的生産性の高いビジネスパーソンのためのタイムマネジメント方法をご紹介していきます。

» 2010年06月22日 13時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

集中連載「結果を出して定時に帰る時短仕事術」について

 本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。

 残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。

 ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。

 本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。

  • 1時間目:残された時間を価値あるものに
  • 2時間目:仕事も人生もうまくいく! 理想の時間割
  • 3時間目:最少の労力で最大の成果を上げる知的生産の方程式
  • 4時間目:必ず目標を実現する! スケジュール&タスク管理術
  • 5時間目:集中力が劇的にアップする!すきまアクションとじっくりアクション
  • 6時間目:時短の達人が教える! 生産性を高める小さな習慣
  • 7時間目:ITを味方につけなければ、生産性戦争に勝てない!
  • 8時間目:最短で問題解決するための時短思考のツール
  • 9時間目:チームの生産性が飛躍的に高まる! 時短会議のススメ
  • 資料編:時短の達人になるためのチェックリスト

あなたの現在年齢を「人生ものさし」に書き入れてみよう

タイムラインは日本人男性の平均寿命である78ミリで終わっています。斜線を引いた上部の時間、それがあなたに残された時間。南アフリカやシエラレオネの平均寿命から考えると、もしかして生まれる国が違えば、もうこの世に存在しないかもしれないのです。

 78ミリの定規があります。1目盛りが1ミリです。ここに、あなたの現在の年齢をミリ単位に換算して、その目盛りに線を引いてみてください。例えば、40歳であれば、40ミリのところに線を引きます。そして、分断された上部分に斜線を引いてみましょう。

 賢い読者はすでにお気づきだと思いますが、斜線を引いた部分が、あなたの残り時間です。78ミリ、つまり78歳というのは日本人男性の平均寿命。女性であれば86歳です。

 斜線を引いた部分、すなわち残された時間を正確に計算してみましょう。例えば、40歳の男性の方であれば、(78−40)×365(日)×24(時間)≒33万3000時間となります。これがあなたに残された時間です。

 この時間、多いと感じますか? それとも少ないと感じますか? あなたが生涯のうちに成し遂げたいことは、この時間内で達成できそうでしょうか?

 もちろん、あなたが世界有数の長寿国に生まれたからといって、平均余命を全うできるという保証はありません。寿命には個人差がありますし、事故や病気でもっと早く死ぬことだってありうるわけです。

 ちなみに男性の場合、南アフリカ共和国の平均寿命は約50歳、シエラレオネにいたっては37歳。生まれた国が違えば、あなたはもうこの世にいない可能性もあるのです。もし、そうだとしたら、あなたは悔いのない人生を送ったと自信を持って言えるでしょうか?

残り時間を強く意識した時、人生が輝き出す

 今、こうしている間にも、刻一刻と時間は流れています。あなたは毎年、誕生日が訪れるたびに、実に8760時間もの時間を消費したことになります。そう考えると、ちょっと落ち着かなくなりますね。人は誰でも人生のカウントダウンを意識すればするほど、早く何かやらねば、と考えてしまいます。しかし、慌ててはいけません。

 減る一方の残り時間を意識する時に、一番考えなければならないのは、時間の長さではなく、自分にとっての価値です。自分にとって価値のあることに時間を投資しなければまったく意味はありません。闇雲に仕事をやって、忙しさでまやかしの充実感を味わっている場合ではないのです。

仮に40歳男性が平均寿命まで生きるとして計算した、残り時間の減り方グラフ。毎年8760時間ずつ減っていくスピードをあなたはどう感じますか?

余命が短いからといって、不幸とは限らない

 昔、不治の病で余命の短いことを宣告された患者がいました。その患者は、いったん自暴自棄に陥りましたが、まもなく霧が晴れたように開眼し、残り少ない時間を有意義に過ごしました。

 担当医はその後、その病気が治り、元の生活に戻ることができる方法を見つけたと、その患者に知らせましたが、意外なことに患者は喜びませんでした。なぜなら、患者にとっては、残された短い時間こそがかけがえのない輝いたものだったからです。

 死期が近いと、本当に大事なことが何かを真剣に考えるものです。たとえ余命が短くとも、残り時間を意識することで、人生が輝くことだってあるのです。

 まずは、平均寿命のタイムラインの中で、あなたの現在地をもう一度、見つめ直してみませんか? そして残り時間内に、「あなたの本当にやりたいこと」が実現できるかどうか、考えてみませんか?

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

photo

 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ