約15年の歴史に幕──ツーカーの最後を看取るツーカー携帯電話サービス終了(1/2 ページ)

» 2008年04月01日 01時53分 公開
[岩城俊介ITmedia]
Photo 2005年にヒットした“説明書が必要ないくらい簡単”が特徴の「ツーカーS」。松本人志さんの「何か必死でしょ。話せりゃええやん」というフレーズも深く印象に残っている

 KDDIのツーカー携帯電話サービスが2008年3月31日をもって終了した。

 東京、関西、東海の3都市圏を中心に1.5GHz帯のPDC方式でサービスを展開したツーカー3社。ツーカーセルラー東京は1994年6月(1991年7月設立)、ツーカーホン関西は1994年4月(1991年10月設立)、ツーカーセルラー東海は1994年7月(1992年2月設立)に開業した。

 ツーカーセルラー東京の歴代CMキャラクターはダウンタウン 松本人志(2003年3月)、浜崎あゆみ(2000年10月)、観月ありさ(1999年2月)、いしだ壱成・細川俊之(1998年2月)、本木雅弘・大浦龍宇一ら(1996年 4人組の“ツーカーズ”として展開)など。ジョグダイヤル搭載の「TH251」(ソニー製)、「浜崎あゆみデザインモデル」(2000年11月)、「フェラーリ社公認 TK03 Ferrari Model」(2000年10月)などの機種、プリペイド携帯「プリティ」「プリケー」、MIDI方式の音楽データ配信サービス「funstyle」、厚さ15ミリ+多色展開の「TK22」、初の骨伝導携帯「TS41」、シンプルな通話専用「ツーカーS」など独自性のある端末、サービスで展開した。契約数のピークは2001年6月の404万1800、当時の携帯契約総数は約6203万(2008年2月末現在、約1億137万)だった。

photo 左:浜崎あゆみオリジナルデザインモデル「A MODEL」、右:フェラーリ公認モデル「TK03 Ferrari Model」
photo 左:骨伝導スピーカー搭載の「TS41」、右:“説明書がいらないほどシンプル”な「ツーカーS」
ツーカー契約数の推移
2001年6月末時点 404万1800(ピーク)
2002年2月末時点 389万3800
2003年2月末時点 380万2400
2004年2月末時点 364万1400
2005年2月末時点 359万2200
2006年2月末時点 289万5700
2007年2月末時点 105万3200
2008年2月末時点 27万6600

 なおツーカーは、24カ月の継続契約を条件に基本料金を実質半額、あるいは無料通話分を付加する「ツーカーコンボ」(2001年5月)や「ツーカーシンプル料金シリーズ」(2002年11月)など、現在の携帯キャリアが取り入れたような料金プランをかなり早期に導入したキャリアでもあった。しかし、3Gへ移行せずPDCのみで展開する方針としたこと、KDDIがツーカーを完全子会社化(2005年3月)し、電話番号やメールアドレスを引き継げるauへの契約変更策でサービスをauに1本化することを示したことなどから、2002年を境に契約数が減少。2001年6月の404万1800をピークに、2002年2月は約390万、2004年2月約360万、2006年2月約290万、2007年2月の約105万と推移し、終了1カ月前2008年2月の27万6600(ポストペイド:4万4200、プリペイド:23万2500)に至る。

 ツーカー3社を吸収合併したKDDIは2005年10月、ツーカーからauへの同番契約変更の受け付けを開始した。その後、ツーカーの新規契約者が大幅に減少していること、同番・同メールアドレスの契約変更が進んでいることを理由に2006年6月に新規受け付け終了。2006年12月、サービスを2008年3月31日で終了する旨を発表したことで、契約者減少に拍車がかかった。KDDIはauへの契約変更にともない、電話番号やメールアドレス、契約年数、ポイントの引き継ぎ、年間契約の解除料無料、契約におけるauポイントやキャッシュバック特典の付与、au携帯の無料交換機種を用意するといった特典を設けた。

 そして、2008年3月31日でサービスを終了。4月1日の0時4分55秒(筆者環境の場合)に停波した。

2008年4月1日0時4分55秒、「0時5分ちょうど」の直前に停波した。その直後にツーカー番号にかけると、1時過ぎほどまで無反応。1時30分頃にもう一度かけたら「おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになっておかけ直しください」の旨のメッセージが流れるようになった。──長い間おつかれさまでした
photo 待受画面の「圏外」表示が悲しい。もう、この端末に“バリ3”アイコンは出ない
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