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» 2009年04月01日 23時29分 UPDATE

ドコモとKDDIは“変革”と“挑戦”――2009年携帯キャリアの入社式コメント

サブプライム問題に端を発する経済危機の中、今年も携帯電話/PHSキャリアの入社式が行われた。NTTドコモとKDDIは、ともに“変革”と“挑戦”の必要性を唱え、革新的な事業に取り組む意欲を新入社員に求めた。

[山田祐介,ITmedia]

 4月1日を迎え携帯電話/PHSキャリアに新卒採用の新入社員が加わった。各キャリア入社式では、新入社員への期待とともに、通信業界の現状や会社のビジョンが語られた。

 なお、2009年4月入社の採用実績は、NTTドコモが250人、KDDIが255人、ソフトバンクの通信3社(モバイル、テレコム、BB)が789人、イー・アクセスが98人。ウィルコムは今年の採用人数および入社式のコメントを公表しなかった。

「変革」と「チャレンジ」が重要――NTTドコモ山田社長

photo NTTドコモの山田社長

 2008年7月に地域各社を統合し一社化したドコモは、全国の新入社員が一堂に会した初の入社式となった。同社代表取締役社長の山田隆持氏は、モバイル市場が成熟期へと移行し、かつてのような大幅な契約数の増加は望めないとの見方を示して、「変革」と「チャレンジ」の重要性を社員に訴えた。

 また山田社長は、「2年前には、『ドコモひとり負け』と揶揄(やゆ)される非常に厳しい時期が続いた」と振り返りつつ、2008年4月18日の「新ドコモ宣言」以来、そうしたイメージを払拭するための取り組みとして、端末ラインアップの変更や、迅速なエリアの改善を行ってきたと話す。その結果、「解約率が0.4%台と世界的に見ても類を見ない非常に小さな数字まで改善することができた」と評価し、さらなる変革に対する意欲を見せた。また、こうした「変革」と併せて「現場原点主義の精神が重要」とも語り、販売店やコールセンターなどを通じて現場を把握する大切さを社員に伝えた。

 ドコモの“生まれ変わり”を支える挑戦的な取り組みとしては、2008年11月より開始した「iコンシェル」を例に挙げる。“秘書”のように、ユーザーそれぞれの生活圏や好みに合わせたサービスを提供するiコンシェルは、“サービスのパーソナル化”という今後の携帯サービスにおけるひとつの方向性を見据えた新しい機能だと説明した。

 さらに、高速かつコストパフォーマンスのいいインフラを整えていくことの重要性にも触れ、次世代通信規格LTE(Long Term Evolution)の2010年導入を目指し、開発を進めていることをアピールした。


「チャレンジ&チェンジ」の精神でKDDIの“個性”を再創造――KDDI小野寺会長

photo KDDIの小野寺会長

 KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は、昨今の世界同時不況が日本経済にも深刻な影響を与えていることから言葉を始めた。「幸いなことに通信産業は、消費の不振や急激な円高などによる、会社業績への直接的な影響は少ない業界といえる」としながら、法人顧客の解約などに加え、個人ユーザーの新規契約の減少や買い換えサイクルの長期化などが「如実に数字として表れてきている」と指摘した。

 その中で小野寺氏が新入社員に訴えるメッセージからは、既存の概念にとらわれず革新的・個性的な事業展開をすることで、KDDIの“個性”を再創出しようという気概が感じられる。「最近、『KDDIの顔が見えない』、あるいは『KDDIらしさの喪失』といった声が聞こえるようになった」と現状を捉え、その背景にユーザーニーズが多様化しているにもかかわらず「万人に受ける『失敗しない商品・サービス』の提供に終始してしまった」ことがあったと分析する。

 ユーザーの要望を理解し、その期待を上回る先進的な商品やサービスを提供することの重要性を語る同氏だが、そのために「チャレンジ&チェンジ」の精神を忘れずに事業に取り組むことが大切だと話した。「不況期は価値観の変化が顕在化する時期であり、事業構造改革のチャンスともいえる。つまり、メジャーがマイナーになり、マイナーがメジャーになり得る大変換期」と、厳しい市場をポジティブに捉えることで、新たな価値創造と事業拡大への意欲を見せた。


携帯のインターネットマシン化が加速――ソフトバンク孫代表

photo ソフトバンクグループ代表の孫氏

 ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、自らが最も尊敬する坂本龍馬を挙げ、その精神とソフトバンクの志を重ね合わせた。「名誉やお金、地位のためにという次元を超えて、自分が何のために生まれてきたか、そして、一度しかない人生で自分のエネルギーを何に注ぐべきかを真剣に考えた人物」と坂本龍馬を表現し、ソフトバンクとして、人々の生活をより豊かにするために高い志を持つことを社員に呼びかけた。

 携帯電話に関しては、サービスが音声中心からデータ中心へと移行した「インターネット元年」として昨年を振り返り、今後も「iPhone 3G」に代表される携帯電話のインターネットマシン化が加速するとの見解を示した。


設立10周年を迎えて――イー・アクセス深田社長

photo イー・アクセスの深田社長

 設立10周年という記念すべき年の入社式となったイー・アクセス。同社は携帯電話事業を展開するイー・モバイルを擁しており、グループ全体で98人が入社した。イー・アクセス代表取締役社長の深田浩仁氏は、世界的な不況の中にありながら「好調な成績を維持して皆さんを迎え入れることができた」と、喜びを言葉にした。また、この10年間の実績が、社員の日々の努力によって支えられていることを新入社員に訴え、「ベンチャー精神を失わず、アグレッシブにチャレンジしていく企業」の一員として、その精神を引き継いでほしいと呼びかけた。

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