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» 2009年07月23日 16時37分 公開

ワイヤレスジャパン2009:触感や質感、人肌のぬくもりも伝わる?――ドコモの「触力覚メディア」

映像や音に続く“未来のコミュニケーションスタイル”としてドコモが提案する「触力覚メディア」は、遠隔地で“物を触った感覚”を伝えるもの。革新的なサービスだが、どんな利用シーンが想定されているのだろうか。

[田中聡,ITmedia]

 NTTドコモが新しいコミュニケーションの形として提案するのが、遠隔の物の触感を伝える「触力覚メディア」だ。

 ドコモブースでは、マスタ装置(操作側)とスレーブ装置(遠隔側)の2つを使ったデモを実施。マスタ装置の可動部分を動かすと、「位置」「速度」「加速度」といった情報と連動してスレーブ装置の可動部分も動き、スレーブ装置に当たった物の感覚がマスタ装置に伝わる。装置を動かす「力」の感覚と、装置が触れた「触」の感覚を相互に伝達する仕組みだ。記者もゴムボールとビンを使ったデモを体験したが、実際に触ったかのように、ゴムボールの柔らかさやビルの硬さが感じられた。

photophoto ボール(写真=左)とビン(写真=右)で実験。手前がマスタ装置(操作側)、奥がスレイブ装置(遠隔側)。マスタ装置を動かすとスレーブ装置も連動して動き、スレーブ装置が触れたボールやビンの触感がマスタ装置に伝わる。デモではマスタ装置とスレーブ装置をケーブル接続していたが、実際はワイヤレスで通信できる
photophotophoto こちらはマスタ装置(写真=左)を操作してスレーブ装置(写真=右)の側にあるギターを弾くデモ。ギターの弦の感覚が伝わった

 ドコモが想定する触力覚メディアの利用シーンは、建設土木や医療など。「遠隔地にいる患者を触診したり、救急車で搬送中に診断をするといった使い方もできる」(説明員)。商用化のめどは立っておらず、2、3年以内に完成するレベルではないようだ。「通信が遅延しても安定して制御する必要がある。通信を安定させるのが最大の課題」(説明員)だという。

 また、触感を伝える距離に制約はないが、ネットワークが混雑していると、伝達にタイムラグが生じる可能性もある。

photophoto デモンストレーションには、慶應義塾大学 大西研究室の制御技術が使われている
photo 写真のような、ツルツル、ザラザラといった分かりやすい質感なら、今回のデモで使った装置でも伝えられるという

 物を触った感覚のほかに、「ツルツル、ザラザラといった質感や、布地の質感、人肌のぬくもりを伝えることも技術的に不可能ではない」(説明員)という。布地の質感が伝えられれば、オンラインショッピングなどの購入前に衣類の触り心地を確認する、といった使い方が想定できる。なお、質感を伝える場合は、単なる触った感覚を伝えるものとは異なるセンサーを使う必要があるという。

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