Xi 100Mbpsフィールドテストリポート【愛媛県編】ドコモとauの一騎打ち?

» 2013年01月04日 10時00分 公開
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 11月16日にNTTドコモがサービスを開始した「docomo LTE Xi下り最大100Mbps」のフィールドテスト特集第2弾は、高知県での測定結果リポートです。電波測定の背景や計測方法などについてお伝えした「【はじめに】」と併せてご参照ください。

※スピードテスト結果の表は、標準計測回数を7回とし、未計測の場合は空欄、計測1度の場合は平均値表記なしとしている。 LTE接続できない場合は計測回数が0または1回としている。

 高知から前日に移動してきた愛媛県松山市内は、高知より人も交通量も多く、よほど良い条件が重ならないと、100Mbps近い下りスピードはでないであろうことが予想されるなか、市内の測定ポイントまで移動した。

愛媛県松山市内

 松山駅や松山市総合コミュニティセンターという大規模公営施設から約1kmほどの路地に入った地点で計測を行った。

photophoto

 基地局までは約400mの直線距離があり、やや遠く、うまく安定した電波を拾えるかどうかとチェックをしたところ、65〜70dBm程度の電波強度でSNR20〜25程度の場所で計測を実施した。

photophoto ServiceMode(左)でBand21に固定して電波品質を確認。XenSurvey(右)でも並行して電波状況の良いポイントを探る
愛媛県松山市竹原
下り(Mbps) 上り(Mbps) ping(ms)
2012/12/4(火) 9:20〜10:09 計測ツール ベスト 平均 ベスト 平均 ベスト 平均
GALAXY Note II SC-02E/1.5GHz 15MHz RBB Today 89.32 86.1 19.98 18.91 134 139
Speedtest 91.79 83.99 22.91 21.53 100 110
Optimus G LGL21/au 4G LTE RBB Today 19.27 17.54 15.95 12.08 116 128
Speedtest 14.91 12.84 17.06 11.95 97 107
GL04P/EMOBILE LTE RBB Today 11.56 8.47 9.7 7.81 99 133
Speedtest 10.9 9.21 12.79 11.85 93 98
RAZR M 201HW/SoftBank 4G RBB Today 42.94 33.55 4.01 3.44 113 134
Speedtest 48.54 46.33 8.4 7.06 90 98
GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D/Xi 2.1GHz RBB Today
Speedtest 23.93 20.56 5.95 5.43 102 116
GALAXY NEXUS SC-04D/FOMA RBB Today
Speedtest 3.76 3.44 0.38 0.38 240 274

photo 下り最速91.79Mbps

 Xi 1.5GHz・15MHz幅での計測結果は、高知よりも速い下り最速91.79Mbps・上り最速22.91Mbpsという結果であった。 RBB Todayの平均値下り86.1Mbps・上り18.91という結果も非常に高速だ。

 主要駅や県庁などの公共機関、あるいは大規模商業施設に向けての電波ではないが、広いエリアをカバーしている基地局ではないかと思われる。

 他社のネットワーク状況については、au 4G LTEが下り最速19.27Mbps・上り最速17.06Mbpsということでやや弱いもののシッカリ、EMOBILE LTEは、モバイルWi-FiルーターGL04P+OptimusGで下り最速11.56Mbps・上り最速12.79と良好な結果に。

 そしてSoftBank 4G(AXGP)は、RAZR M 201Mでの計測結果が下り最速48.54Mbps・上り最速8.4Mbpsという結果で路地にしてはかなり速い状態だった。

 Xi 2.1GHzは、5MHz幅だったが、下り最速23.93Mbps・上り最速5.95Mbpsと非常に高速なネットワークの状態であったので、2012秋以前のモデルでも快適に利用できるエリアと言える。

愛媛県伊予郡松前町

 愛媛県2箇所目の測定ポイントは、松山市からクルマで20分ほどの伊予郡松前町で、目の前に田んぼのあるような場所だが、基地局からの距離も悪くはないポイントで測定を開始した。

photophoto
愛媛県伊予郡松前町北黒田
下り(Mbps) 上り(Mbps) ping(ms)
2012/12/4(火) 10:36〜11:01 計測ツール ベスト 平均 ベスト 平均 ベスト 平均
GALAXY Note II SC-02E/1.5GHz 15MHz RBB Today 76.68 71.86 22.7 19.73 119 135
Speedtest 77.21 72.81 23.51 20.47 87 110
Optimus G LGL21/au 4G LTE RBB Today 29.6 24.08 15.91 13 106 121
Speedtest 33.55 27.97 18.77 16.48 92 110
GL04P/EMOBILE LTE RBB Today 6.78 5.96 1.36 1.33 344 463
Speedtest 5.17 2.16 195
RAZR M 201HW/SoftBank 4G RBB Today 0.62 0.15 415
Speedtest 4.27 0.33 560
GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D/Xi 2.1GHz RBB Today 26.58 23.01 6.37 5.02 140 151
Speedtest 28.42 23.45 6.31 5.73 101 117
GALAXY NEXUS SC-04D/FOMA RBB Today
Speedtest 2.04 0.54 252

photo 下り最速77.21Mbps

 障害物もないのに、なかなか80Mbps以上のスピードが出ない。とはいえ、下り平均72Mbpsはかなりの高速なわけだが、慣れというのは恐ろしいもので、既に3箇所での計測を終えたあとなので、もっとスピードが出るであろうと思いこんでいた。しかし、北側に大規模商業施設があることから、独占状態で利用できることはないということで、このエリアでの計測を終えた。

 その他の回線では、EMOBILE LTEが非LTEエリアで、SoftBank4Gも同様にLTEエリア外でかつ異常に遅い状態だった。しかしau 4G LTEは下り最速33.55Mbps・上り最速18.77Mbpsと下り上りともに高速安定性を保っており、想定通りではあるが、四国内はドコモとKDDIの一騎打ち状態だと感じる結果であった。

まとめ

 スピードが出た市街地、スピードが出なかった見通しの良い田んぼの前。基地局の性能は十分であっても、サービスがを利用する人が多いのか、バックボーンの容量が見合っているものなのかという状況にも左右されるはずだ。(バックボーンの容量については外部から掌握できないが)

 仮に1.5GHz帯のみの基地局だったとしても、特に大規模商業施設やオフィスビルが立ち並ぶようなエリアでは、今後はなかなかスピードが出なくなることが想定される。また、基地局が複数のバンドに対応していることで収容するユーザ数が多くなってしまうことも、高速ネットワーク対応機種であっても、期待すべきスピードが出ない要因となるだろう。

 ルーラルエリアとまではいかなくとも、絶対ユーザ数が少ないエリアでさえも、サービス開始直後に理論値上限に近い数字がでないことが当然のようにあるということが確認できた。

 高速ネットワークを体感したいならば、早々に(収容するユーザが増える前に)、実際にスピードが出たポイントで時間帯などを見計らって試してほしい。

Xi100Mbps測定ポイント


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