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» 2013年01月19日 01時30分 UPDATE

石野純也のMobile Eye(1月7日〜18日):CESで見えた2013年のトレンド/au大規模障害の原因と課題/「PadFone 2」ヒットの可能性 (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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ASUSが「PadFone 2」をSIMロックフリーで発売へ

photo 1月18日にはASUSがメディア向けの説明会を開催。ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニアの阿部直人氏が、端末の特徴を解説した

 ASUS(エイスース)は12日、「PadFone 2」をSIMロックフリーで発売した。18日には、報道陣向けの説明会も開催された。PadFone 2は、同梱の「PadFone 2 Station」と“合体”できるのが最大の特徴。本体のディスプレイは4.7インチだが、合体時は10.1インチと大型になり、「約1秒間で行える」(ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニアの阿部直人氏)と切り替えもスムーズだ。チップセットやメモリ、ストレージなど、端末の心臓部分は「基本的にフォン側に入っている」(同氏)仕組みで、PadFone 2 Stationは、10.1インチの専用ディスプレイと考えれば理解しやすいだろう。

photophotophoto ASUSの「PadFone 2」がSIMロックフリーで発売された。「PadFone 2 Station」と合体させることで、タブレットにもなるのが特徴だ
photophoto 着信やアプリ起動などを、本体の着脱と連動させることが可能だ

 ただし、PadFone 2 Station側にも5000mAhのバッテリーが内蔵されており、本体の2140mAhと合わせて、7140mAhとなる。「フォン側に給電しながら使える」(同氏)ため、少々サイズは大きいが、予備のバッテリーとしても使える。

photo PadFone 2 Stationのバッテリーは、端末本体の給電にも使える

 一見奇抜なコンセプトの端末だが、実はベースの機能も充実している。チップセットはクアルコムの「Snapdragon S4 Pro」にあたる「APQ8064」で、1.5GHzのクアッドコア。RAMも2Gバイトを搭載し、ディスプレイは高輝度な4.7インチの「HD Super ISP+」だ。100枚連写が可能なカメラや、音響を環境に合わせて設定できる「Audio Wizard」を備えるなど、オーディオビジュアルにもこだわった。

photophotophoto カメラは1300万画素で、連写や各種エフェクトにも対応。タブレットスタイルでも、切り替えボタンをタップすることで、そのままのサイズで撮影できる。音響設定にも力を入れている
photo UIはAndroidの標準に近いが、通知パネルなどはしっかりカスタマイズされている

photo PadFone 2のスペック。対応する周波数帯は、W-CDMAの2.1GHzと900MHz。800MHzのいわゆる「FOMAプラスエリア」に非対応となる点には注意したい

 冒頭で触れたように、PadFone 2はSIMロックフリーの状態で販売される。3G回線で利用するには、別途キャリアとの契約が必要だ。現時点で公式な接続試験は「(ドコモ回線を借りるMVNOの)日本通信のみ」(同氏)と行っているというが、周波数帯さえ合えば、そのほかのキャリアでも利用は可能だ。対応周波数帯はW-CDMAの2.1GHzと900MHz。W-CDMAでサービスを行うドコモとソフトバンクモバイルが対象だが、ドコモの800MHz帯である「FOMAプラスエリア」には接続できない。なお、端末はGSMにも対応しているが、「基本的に日本で使っていただくことを想定しているため、対応周波数などは非公表」(同氏)だという。

 SIMロックフリーでの販売は、まだ試験的な意味合いが強い。阿部氏も「どのように販売していけばいいか、まだ手探り状態」と述べているように、今の日本市場ですぐに大ヒットに結びつくとは考えにくい。一方で、「発売日にも指名買いがあった」(同氏)といい、潜在的なニーズがあることもうかがえる。おサイフケータイやワンセグといった、日本市場向けの仕様には非対応だが、そうした機能よりも、自由にキャリアを選択したいというユーザーにはうってつけの端末と言えるだろう。

 過去にはHTCがSIMロックフリーの端末をメーカーブランドで販売したこともあったが、結果としてその施策は失敗に終わっている。ただ、フィーチャーフォン全盛の当時とは状況が異なり、今のメインストリームはスマートフォンだ。SIMロックフリー端末向けにパケット定額プランが提供されているのも、大きな環境の違いである。PadFone 2は、SIMロックフリーでの販売方式が日本でどの程度受け入れられるのを計る試金石にもなりそうだ。

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