メイドさんのカチューシャを光らせて来場者を堪能させた日本Androidの会が続けて紹介してくれたのは、AndroidスマートフォンとNFCの組み合わせでメイドさんと仲良く遊ぶ方法、ではなくて、ビジネスや個人利用における意外とマジメな応用事例だ。日本でもおサイフケータイのサポートで利用シーンが増えているNFCだが、日本Androidの会がワイヤレスジャパン2013で訴求するのは、NFCタグとNFC対応スマートフォンの組み合わせで利用するリーダ/ライターモードだ。
街に設置したNFCタグにNFC対応スマートフォンをかざすだけで、製品情報の取得や関連Webページへのアクセスを自動で行えるだけでなく、かざしたスマートフォンユーザーのプロファイル収集にも利用できる。また、個人利用でも、NFCタグを利用したアプリ起動や設定の自動切り替え、行動ログの取得などに利用できる。QRコードでも同様のことができるが、利用するためのアプリ起動がいらないことや、タグ情報の書き換えが可能なこと、安価なNFCタグで入手と発行が簡単であることがNFC利用の利点として日本Androidの会は挙げている。
日本Androidの会は、2013年夏モデルで各キャリアから登場した新製品もそのほとんど(ただしソフトバンクモバイルを除く)がNFC対応となるなど、日本でもNFCを活用できる条件が整ってきたと語っている。街を対象としたNFC運用試験も新大久保や渋谷、西宮などで実施したほか、製品でもポケットモンスターがNFC内蔵のフィギュアを販売して、ゲームで利用できるようにするなど、商業活用は広がりつつある。
また、NFCタグが100円以下と安価であることから、個人利用を試みるユーザーも多く、入退室や印鑑使用、薬品服用といった行動ログ、消耗品の発注アプリやタイマーアプリの自動起動などのケーススタディを紹介している。
その一環として紹介したのが、NFCログアプリ「たっちなう」でメイドさんと遊ぶ、いや、メイドさんカフェの活用事例だ。講演では、メイドさんが身に付けたNFCタグにNFC対応スマートフォンをかざすと、メイドさんのプロフィールデータを記したWebページにアクセスできるデモを紹介した。
このデモでは公式プロフィールにアクセスしていたが、メイドさんが身に付けているNFCタグでしかアクセスできないWebページを用意しておけば、限定情報を得るために店に足を運ぶユーザーも増えるだろう。また、たっちなうには、自動シェア機能を用意しているので、かざすだけで、自分のSNSアカウントにタッチした場所やタッチした回数も自動で投稿できる。
このように、ユーザーにはメイドさんとのコミュニケーションと限定情報の取得、タッチ回数でたまるポイントなど、付加価値を提供しつつ、店舗側も、集客効果の向上に来店履歴の管理、ユーザープロファイルの取得などに利用できると説明している。
以上のように、ユーザーはメイドさんと「ねぇーん、私のタグにタッチしてぇー」などといいながら、うふふきゃっきゃっと楽しみつつ、お店はしっかりユーザーのプロファイルと取得できるというのが、AndroidスマートフォンとNFCタグが実現する明るい未来だったりする(それは違う)。
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