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» 2013年09月02日 19時12分 UPDATE

LTEエリア競争はもう終わるそうだ:ユーザーが選ぶのは高速な2.1GHz帯よりどこでも使える800MHz帯──KDDIが説明する「これからのLTE」 (1/2)

KDDIは、9月2日に2013年第1四半期に発生した通信障害の対処に関する報告と、今後のLTE整備に関する方針を説明した。

[長浜和也,ITmedia]

障害対処のフェーズは終わった

 KDDIは、9月2日に2013年第1四半期に発生した通信障害の対処に関する報告と、今後のLTE整備に関する方針を説明した。

 説明を行ったKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、2013年の4月末と5月末に発生したLTE通信障害の概要を説明した上で、障害対策の基本方針として「ソフトウェアとハードウェアの品質向上」「作業手順の再確立と迅速化、確実性による運用品質の向上」「(通信)容量設計思想と指針の確立」を挙げ、運用品質の向上と容量設計思想と指針の確立によって「スマートフォンと4G時代に見合った機能安全の確立:フェールセーフ」を実現することと述べている。(記事掲載当初、フェールセーフの記述に誤りがありました。おわびして訂正いたします)

 以上の基本方針や、この実現のために立ち上げた組織体制、対策スケジュールについては、6月10日に公開した内容と同じだが、今回示した実際の対処実績では、ソフトウェアとハードウェアの品質向上のために行ったフラグメンテーション処理にかかわるリセット不具合の対処と、リカバリー処理不具合の対処を予定していた8月末の完了から8月半ばでの完了と前倒しした。また、容量設計思想と指針の確立のために実施しているMMEの設備創設では、6月10日時点で19台だったのを8月末時点で60台を設置し、さらに増設している。

 田中氏は、一連の通信障害に対する作業は完了し、これからは、LTEネットワーク設備の増設と強化を進めていくとしている。そのために、LTE基盤強化対策本部では、営業部門(個人も法人も)とカスタマーサービス部門、運用部門、技術建設部門(KDDI研究所もサポートする)を傘下におき、その下部に「お客さま満足度WG」「運用品質向上WG」「収容設計改善WG」「整備品質向上WG」といったワーキンググループを設けたことを紹介した。

kn_kddilte_01.jpgkn_kddilte_02.jpgkn_kddilte_03.jpg 4月から5月に発生した通信障害の対策は当初の予定を前倒しして8月半ばには完了した(写真=左)。現在KDDIにおけるLTE整備は障害対処フェースが終了して次の「ネットワーク強化フェーズ」に入っている(写真=中央)。LTE基盤強化対策本部では下部に4つのワーキンググループを設置して強化作業を進めている(写真=右)

LTEエリア競争も終わる

 続いて、今後のLTEネットワーク戦略について田中氏は、「つながる力」をキーワードに据えて「どこでもつながる力」「超高速でつながる力」「こだわりのつながる力」の3項目を重視すると述べた。どこでもつながる力については、これまでも訴求してきたマルチバンドLTE、特に田中氏が“ベースバンド”と呼ぶ800MHz帯と2.1GHz帯、1.5GHz帯と3つのバンドでLTEを展開し、2013年夏以降に登場するAndroidモデルがそのすべてに対応して、混雑した状態でも空いている帯域に自動で切り替わって利用できることを優位点として訴えた。

kn_kddilte_04.jpgkn_kddilte_05.jpgkn_kddilte_06.jpg KDDIがLTEの強化で掲げる3項目の「つながる力」(写真=左)。KDDIがLTEにおけるアドバンテージとして掲げるのが3つの帯域を用意したマルチバンドLTEだ(写真=中央)。2013年夏に登場したAndroidモデルの多くはトリプルバンドのLTEに対応してシームレスで切り替えが可能だ(写真=右)

 田中氏は、800MHz帯LTEのエリアが2014年3月には実人口カバー率(KDDIの基準による)が8月末時点の97パーセントから99パーセントに、カバー面積では、1.5倍と拡大することで、「LTE全国エリアが完成する」と述べている。基地局許可数の比較でも、2.1GHz帯対応数でNTTドコモとソフトバンクモバイルを下回るKDDIだが、800MHz対応局を加えることでNTTドコモの3万5000件、ソフトバンクモバイルの3万8000件を上回る6万1000件になることをアピールした。

 なお、2.1GHz帯LTEの実人口カバー率は、現時点で72パーセントで、2014年3月までには80パーセント台、次年度で90パーセント台という見通しを示した。

kn_kddilte_07.jpgkn_kddilte_08.jpgkn_kddilte_09.jpg 800MHz帯LTEは、8月末時点で実人口カバー率97パーセント、2014年3月で99パーセントになる予定。面積比で1.5倍という(写真=左)。LTE基地局免許許可件数を比較すると2.1GHz帯と800MHz帯をあわせてKDDIが最も多くなる。たたし、これは許可件数であって実際に稼働している基地局はこれより少ない(写真=中央)。2.1GHz帯15MHz幅以上を利用する高速データ通信も地方から運用を開始しているが、都市部提供は「3GからLTEに移行が進まないと困難」(田中氏)という(写真=右)

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